『HUNTER×HUNTER』 / 冨樫義博
(説明(34巻))
天空闘技場でヒソカとクロロの死闘開始!! 新能力を披露しつつヒソカを追い詰めるクロロ。極限の闘いで勝つのは!? そして、暗黒大陸へ出航したクラピカとカキン王国王子達。だが早速不可解な死が…。
近頃、本を読んでもブログを書くことをさぼりがちだったので、リハビリがてらまずは漫画から、、
お盆休みで奥さん側の実家に帰った時あるある、「妙に余る時間」を利用して、数年間読んでなかったHUNTER×HUNTERの未読部分(32巻〜34巻)を読みました。
いやぁ〜〜、、、、相変わらずすごいの一言、上がったハードルを何度でも超えてくる面白さでした。
今回読んだ3冊はキメラ蟻という超強大な生物たちとの戦いの後からで、ハンター協会の故・ネテロ会長の息子であるビヨンドとともに、暗黒大陸と呼ばれる世界へ向かうシリーズ。
暗黒大陸とは要するに「今生きている世界の外側」、
古い話ですが鈴木光司さんの『リング』シリーズでも出てきたような概念で、今ここに生きている世界は実は別のマクロな世界の一部分に過ぎないという設定(太陽系を包含する別の銀河系、、のような)。
そこは人間界に多大な恩恵をもたらすとされる自然が広がる一方で、破滅へと向かわせる危険度Aクラスの生物も生息する未開の地、正に少年ジャンプ宜しくの冒険浪漫譚設定。
、、なのですが、そこを簡単には終わらせないのが冨樫さん。
HUNTER×HUNTERの魅力の1つに
「少年誌ではあり得ないほど難解な設定と、シリーズの終わり(或いは跨ぎ)にかけて怒涛のように回収される伏線」
があると思ってますが今回なんて正にそう。
33巻にはビヨンドに雇われた者たち十数人、次期国王を今後争うであろう王子及び王妃十数人、彼らを護衛する者たち十数人と、あっという間に40名ほどの新キャラが登場します。
また、34巻にはクロロvsヒソカという、20年近くのファンからすると垂涎もののバトルが描写されているものの、その能力や戦術はあまりにも難解。
けれど思えば幻影旅団編もグリードアイランド編もキメラ蟻編も初めはいつもそうで、こんなに風呂敷広げといてどうやって最後畳むねんと訝しがりながらも、終わったみれば「ああ、また冨樫にしてやられた」とソファに沈み込んで遠い目にならざるを得ない、そんな経験を何度もしてきたからこそ今回も(何年かかるか分かりませんが)この始めの難解な展開に何とかついていって、数年後に待つカタルシスに備えようと思います。
今回読んだ3冊の個人的ハイライトは、ジンとゴンが世界樹のてっぺんで「今ここに無いもの」について語るシーン(てんで的外れかもしれませんが、既存の枠に囚われないという意味で仕事への啓発にもなりました笑)、
それと雑魚イメージの強かったヒソカがクロロとの戦闘を経ていよいよ頭角を現し始めたところです。
さあ次は何年後になるのやら、、特にヤキモキもせず、気づいたら出てましたくらいのノリで待ちたいと思います。