少し早いですが、2015年に読んだ64冊の中から勝手なベスト10を決めましたので残しておきます。
あくまで2015年に私が読んだ、というだけですので、出版年などは一切関係ありません。
- 10位 『遮光』 / 中村文則
- 作者: 中村文則
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2010/12/24
- メディア: 文庫
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死んだ彼女の指を持ち歩き、周囲には彼女が生きていると欺くことで正気を保つ男性の物語。デビュー2作目、24,5歳当時にこのクオリティー!世間的にも今年一気にメジャー化した中村文則さんの素晴らしい小説です。
- 作者: 本谷有希子
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2010/08/25
- メディア: 文庫
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復讐のために女性を家に軟禁する歪な恋愛物語。ぶっ飛び設定からキチンとのめり込ませてくれる技巧はすっかり舐めてました、食わず嫌いでした本谷さん!映画もいずれ観るべき原作。
- 8位 『火花』 / 又吉直樹
- 作者: 又吉直樹
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2015/03/11
- メディア: 単行本
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売れたい、面白くなりたいという自意識を全面に剝きだした芸人2人の物語。正に今年の人。「又吉のオススメ小説外れない説」から「又吉の小説外れない説」まで一気に持って込まれました。何かに情熱を捧ぐ人なら問答無用で刺さる素晴らしい作品!
- 7位 『かわいそうだね?』 / 綿矢りさ
- 作者: 綿矢りさ
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2013/12/04
- メディア: 文庫
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浮気されながらも気丈に振舞う女性を描いた中編小説。2015年1番ハマった小説家。痛々しさをユーモアに変換する技術は個人的に一番の女性作家と思っています!図書館で借りましたが、可愛い装丁の文庫を買っておけば良かったと反省。オススメです!
- 6位 『愛に乱暴』 / 吉田修一
- 作者: 吉田修一
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2013/05/22
- メディア: 単行本
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浮気されている主婦が崩壊していくミステリー。今年最ものめり込んだ小説。気持ち悪さを孕ませることによって生まれる中毒性はピカイチで、全くページが止まることなく読み終えました。2016年は今更ながら『怒り』を読むと誓った2015年。サイコーです!
- 5位 『謝るなら、いつでもおいで』 / 川名壮志
- 作者: 川名壮志
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2014/03/26
- メディア: 単行本
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佐世保小6殺害事件発生時記者だった著者によるドキュメント、および被害者、加害者の家族へのインタビューを纏めたもの。法律の在り方や報道の在り方、物事を多面的に観る意識の重要性など得るものは大きい。重たいですが本でしか味わうことのできない感情を抱きました。
- 4位 『断片的なものの社会学』 / 岸政彦
- 作者: 岸政彦
- 出版社/メーカー: 朝日出版社
- 発売日: 2015/05/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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社会学者の著者があらゆる事象について自身の哲学を「断片的に」綴ったエッセイ。言語化できないウヤムヤをあまりにも綺麗に表現してくれ、どこを切り取ってもキラーフレーズが飛び出す、これぞいつまでも家に置いておきたい作品!また読みます。
- 作者: 高野秀行
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2015/01/26
- メディア: 単行本
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ソマリアという真っ黒な闇に覆われた国を、独特の切り口で白日の下に晒したルポルタージュ。無法地帯としか表現されないエリアにも日々暮らす国民がいて、くだらないジョークを言い合いながらも死と隣り合わせが当たり前の生活を営んでいる。世界広しと今更ながら痛感させられた素晴らしい作品。読みやすさもまた秀逸でした。
- 2位 『かくかくしかじか』 / 東村アキコ
- 作者: 東村アキコ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2012/07/25
- メディア: コミック
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学生時代から世話になった絵の先生と著者のノンフィクション自伝モノ。ここ数年で最もハマった漫画。文字のみでは伝えられない登場人物の目の優しさや行間で表す喪失感、んであくまで徹底したギャグ漫画家、電車では到底読めない程笑ってしまうそのセンスに涙涙でした!!メーターが完全にぶっ飛んだ『ママはテンパリスト』も激オススメ。2015年は東村さんの年でした!
- 1位 『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』 / 増田俊也
- 作者: 増田俊也
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2014/02/28
- メディア: 文庫
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リアル範馬刃牙、近代の柔道パウンドフォーパウンド、木村政彦を徹底して解明するノンフィクションもの。上巻ではその比類なき強さを十二分に堪能。下巻ではじわじわと歩み寄る崩壊の二文字から、世紀の一戦、力道山戦で失墜した彼のその後のヒストリーまで、生涯丸ごと取材した渾身の作品です。男なら問答無用で燃える木村政彦の立ち姿、昔戦隊モノで心踊ってた甘酢な感情をこの歳になっても味わえる稀有な読書体験!!読んだ後しばらく抜け出せない程に気持ちが高ぶった、2015年ダントツにエンジョイした作品を1位にしました。
来年も、良き出会いを!