ディズニーランドが日本に来た! 「エンタメ」の夜明け (講談社+α文庫)
- 作者: 馬場康夫
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/07/23
- メディア: 文庫
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『ディズニーランドが日本に来た!』 / 馬場康夫
★ × 84
内容(「BOOK」データベースより)
開園30周年。ディズニーランドはいかに誕生したか。小谷正一、堀貞一郎、ウォルト・ディズニー―見えない因縁の糸で結ばれた日米3人のプロデューサーの物語を通じて、わが国のエンタテインメント・ビジネスの草創に迫る、ノンフィクション。
朝日新聞の書評で紹介されていた新書。
東京ディズニーランド(TDL)が日本にできるまでを描いたある種のビジネス書です。
本書はディズニーランド誘致に関わった電通社員である小谷正一と堀貞一郎という日本人の話が主です。
スティーブジョブズの如く人を惹きつけるキャラが興味深く描かれていますが、誘致の話はそこで終わり、第2章からは堀貞一郎のバックボーン、更には手腕・堀貞一郎の生みの親である小谷正一を時間をさかのぼって描いていく、という構成になっています。
つまりオチを先に持ってくる古畑任三郎スタイルであり、出だしからすごく惹かれました。
小谷はここで初めて、万博視察で渡米した際に寄ったディズニーランドに魅了されます。
そしてそれは同時に、堀も魅了されたことを意味します。
そして7章、ガラッと変わって「ディズニーランドとはなにか」が書かれてから、オープンの1983年4月11日まで一気に駆け抜けます。
個人的には後半をもっと掘り下げていただきたかったですが、本書はかなりビジネス書よりの中身に仕上がっているのでちょうど良い比率でもあります。
後半に著者も書いていたことですが、ディズニーランドが日本のテーマパークのレベルを引き上げたのは間違いないし、事実オープン時には生まれていなかった私のようなゆとりでさえ、何かしらのレジャー施設(もっと広義に言えばホスピタリティ)を味わう上で、どこかしらディズニーランドと比較してしまうくらい染み付いた感覚があるので、逆にディズニーランド不在の国だったらどうなっていたんだろうと興味があります。
まあ、時代は違いますがこういうバブルを見ると、オリンピックに期待する今のおじさんたちの気持ちもわかるような、、(今はなかなかセンシティブなトピックですが)