『どうやら俺オレたち、いずれ死ぬっつーじゃないですか』 / みうらじゅん、リリーフランキー
★ × 89
内容(「BOOK」データベースより)
みうら&リリー両氏が、人生、仕事、そして生と死について1年間にわたり真剣に語りつくした、両人いわく「最初で最後の」珠玉の対談集。彼らが本当に言いたかったことが、全部ここにある。みうら:人生の最終地点は「死」じゃないですよ。リリー:それなのに「今際」を豊かに過ごしたいと思って、みんな「今」を貧しく生きてる。
エロカッコイイ2人の対談集。
「人生とは?」「親友とは?」というドストレートなテーマをこの2人が語らせたらどうなるかというワクワク感と、『人生エロエロ - bookworm's digest』のようなメッセージ性のない爆笑物語で終わるんだろうかというハラハラ感を持って読み始めましたが、
思ったよりもずっとずっと心に染み入る啓発本で、「あれっ、この対談って糸井重里と横尾忠則?」と途中で錯覚してしまうほどでした(言い過ぎ)。
いや、リアルに心に刺さるオンパレードでした、、もっと早く読むべきだった。
前述の通り「人生とは?」といった①シンプル且つコンプレックスなテーマがまずデカ文字で書かれてあって、②テーマに対するL(リリー)とM(みうら)のキラーフレーズが次に書いてあって、③そのあと数ページ対談、という構成で数十テーマ書かれています。
なのでパッと目に入ってくるのは①と②ですが、もう①と②だけをパラパラと見続けるだけでも十分素晴らしいです。
例えば
オリジナリティなんてない。あるとしたらそれはコンプレックスでしょ。
という文面、それだけでちょっと立ち止まれるのに、「え、こんなことをリリーさんとみうらじゅんが語り合ってんの!?」という後からくる贅沢。
そして期待に胸膨らませながら③を読める贅沢。
当然ながら下ネタも半分くらい織り交ぜながらですが、②の肉付けを③でしっかりとされています。
つまり自己啓発としてこれ以上ない構成です。
あとこういう本は「どれだけ作者のことが好きか」にも多少なりとも依存しますが(本自体のレビューとしては失格ですが)、
その点においても、これまで「この人たち嫌いだ」という人に出会ったことない、万人に受け入れられるアウトサイダー2人なので問題なし。
こんなことも言えるんだぜというギャップもあいまって、誰もが楽しめる作品に感じました。
うーん、書きながら、ホントに素晴らしい本だったなぁと再確認、、笑
現時点で引っかかった言葉を書いておきます。またポツポツ読み返します。
サンドウィッチの語源なんて知ってて、なんの役に立つんだって思う。それより、旨いサンドウィッチを作れるほうがいい。
結局おふくろが褒めたのは「対ヒト」に関することなんですよ、オレが他人にどう接しているかという。オレひとりが何をしてても、何も言わない。
そもそも喧嘩までならないにしても、何かに対して怒りみたいなものを覚えなくなるという感覚が、人としては一番死んだ状態だと思うんですよね。