『小説の家』 / 柴崎友香,岡田利規,山崎ナオコーラ,最果タヒ,長嶋有,青木淳悟,耕治人,阿部和重,いしいしんじ,古川日出男,円城塔,栗原裕一郎,福永信
★ × 85
内容紹介
この家の窓からは“大切なもの"が見える。
上條淳士、福満しげゆき、倉田タカシ、師岡とおる、近藤恵介など
豪華アートワークと共に贈る、前代未聞のアンソロジー。満を持して誕生!
定価3800円、分厚いアンソロジー、
作家の方は半分くらいしか知りませんでしたが、円城塔さんや長嶋有さんといったクセのある方が多く、読むのには苦労するだろうなという覚悟で頑張りました。
まず何よりも特筆すべきは阿部和重さん、、、、、
ページをめくってからしばらくは空きページかと思いきや、よくよく見ると真っ白な紙に、うすーーーい色の文字が印字されているではありませんか、、
Office系のソフトで、重要でない、或いはすでに完了したタスクなど書かれた文の文字色を薄くするような、アレです。(光に当てないとほぼ見えないレベルですが)
角度を変えながら何とか判読するとちゃんと小説してたのですが、電車でコレやってると変人にしか見えないので、家のリビングで読みました笑
まあ阿部和重さんはダントツで特異でしたが、他作品もなかなかに個性溢れるものでした。
そもそものコンセプトがアートとの融合なので、円城塔さんの小説は描かれた様々な模様によって段落が行ったり来たりして非常に追いにくかったり、長嶋有さんはそもそも漫画だったり笑、
値段や装丁からするに、小説でなくインテリアとして一家に一台チックに購入するのがいいのかもしれません。
そんな中、小説としても面白かったのが最果タヒさん。
トップアイドルとプロデューサーが主となった物語ですが、こないだたまたま『炎の体育会TV』で華原朋美を観たせいか、
トップアイドル=華原朋美
プロデューサー=小室哲哉
の図式のまま読んでしまいました。笑
プロデューサーが自殺したあと、主人公の台詞で「先生」という文字のみが数ページにわたって続く衝撃のシーンがありますが、
「先生」がすべて「TK」に見えて戦慄しました。。
とまあ、かなり斜め上をいった作品でしたが、前述の通り小説としてでなくモノとして買うのはアリかなぁと思います。