- 作者: ハン・ガン,川口恵子,きむふな
- 出版社/メーカー: cuon
- 発売日: 2011/06/15
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ひさびさ韓国文学。なんかの雑誌で紹介されてたからメモってたがどんなレビューだったか思い出せんまま読み始めたが、グサーッ!!今年一番のグサーッ!!やっぱ韓国、ドギツイぜ、、素晴らしかった!
『菜食主義者』『蒙古斑』『木の花火』の3編やけど連作。ある日突然肉を食わなくなるヨンヘという女性を中心に、夫、義兄、姉の視点からそれぞれ語られるもの。肉を食わなくなった直接の理由は明らかでないけど、それってつまり小説だからの展開じゃなく、誰にでも起こり得る日常に潜む恐怖みたいのを醸し出しててまず恐ろしい。読んでる最中「奥さんこうなったらどうしよ、、」とか置き換えちゃう。
『菜食主義者』『蒙古斑』は言っちゃえば日本の昼ドラでもあり得そうな展開ではある(それでも演出めちゃめちゃ上手いけど。『蒙古斑』の終わり、義妹とのセックスののち起きたら妻がいたシーンとか痛すぎて見てらんない)。ただ『木の花火』、、この最終節だけはなかなか日本文学じゃ見たことないエグさ。妹のヨンヘを精神病棟に入れた姉の視点から語られるんやけど、そこの描写は常軌を逸してて、どんな状態でこの話書いたんやと感心してまいました。姉が何度も繰り返し問う「どこでこんな事態を止められたのか。」、これ俺も万が一同じ状況になったらずーーっと言い続けそうやけど、
はじめ『菜食主義者』でホント些細なところ、「私、肉は食べないわ。」から始まった小さな日常の変化から、じわじわと気づかんうちに気づけば後戻りできない状態になってる、
こういうことは何事にも共通して言えることやからその普遍性、それが一番この作品の恐怖で魅力なところ。
なんのハッピーさもないけどこうゆう感じ味わうために本てあるよな。オヌヌメ!