初砂鉄さん。目次からもうオモロい。砂鉄さんにとって違和感を感じる言葉を理屈(屁理屈)と知識でズバズバ切り刻んでいくサマがウィットに溢れてて気持ち良かった。基本ディスの嵐やねんけど、ディスり方がうますぎて、実際ディスの対象の曽野綾子とかが読んでも別に怒らへんのちゃうかと錯覚するほど(いや、怒るやろけど笑)。
とはいえ当然刺さる言葉も多く、おじさんおばさんだけでなく、基本ぬくぬくゆとりな俺たちも切られる。
「なるほど。わかりやすいです。」は、本当はつながっているかもしれない水脈を断ち切ったり、論争の末に行き着くかもしれなかった泉をそそくさと乾かしたりしてしまう。わかりやすさのために急がれる承認って、貧相だと思う。
置かれた場所での向き合い方として、自分が置かれたくない場所の粗を真っ先に探す振る舞いばかりが目立つ。
車なんか買わないよ、海外旅行なんて行かないよ、情報なんていくらでも入ってくるしと、世間の出来事や物や資本を醒めた目で見つめる。(中略)つまり、知識はあるのだ。知識を駆使しながらさとる。こうだと知っているよ、という認識によって、自分の置かれた場所が守られていく。
この辺全部痛いとこ突きまくられた。目の前で牙突されてる感覚やった、、。古市憲寿さんとかは若い立場を全面に守ってオールドスクールにとことん対抗するノリやけど、武田さんは年齢とかでなくあくまで自分が思う気持ち悪さにメスを投じてるスタンスが一貫性あってカッコいい。
世の中にかっこいいツッコミを入れたつもりでイキッてる人は(俺含め)たくさんいると思うが、ここまで表現力や理屈を上手く通してこそモノホンのツッコミやなと感じた。