元旦に出た娘の熱が長引き、ベッタリ甘えながらグズグズ泣き生活が続いている。こういうときに最適な時間の過ごし方が、娘の腕枕になりながらの片手読書。本好きでよかったと心から思える瞬間。長いこと積んでた『宇宙創成』上巻を昨夜6時間ほどかけて読み終えた。
- 作者: サイモンシン,Simon Singh,青木薫
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/01/28
- メディア: 文庫
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数学を扱った 『フェルマーの最終定理』『暗号解読』に続き今度は天文学。以前、サイモン・シン著作でないものの青木薫さん訳の『量子革命』が難しかったので、今回も分野外の天文学はさすがに理解に苦しむかと覚悟決めてましたが、
いやいやいやいや、やっぱサイモン青木コンビ恐るべし、おっっもろ!!おもろーー!!
上巻は天動説から地動説への変遷、相対性理論、そして宇宙が絶えず膨張していることから導かれるビッグバンの示唆までが描かれてて、コペルニクス、ガリレオ、アインシュタイン、ハッブルと、出てくる偉人も俺でも知ってるくらいそうそうたる面々。まずグッと心を掴まれるんは、『フェルマー〜』も『暗号解読』もそうやったけど、今ある理論(今回の場合「宇宙とは何か」)が決して1日にして成ったワケでなく、数千年かけて知識の巨人たちが、過去の巨人の肩に立って、その巨人の肩に別の巨人が立って、、を繰り返して壮大なピラミッドを創ってるてゆう事実。ピラミッドの骨子には上述の著名人もいれば、自分が打ち立てた理論がのちの世界を変えたにも関わらず生前には全く無名だった科学者もいて、彼ら全員が結果的に徒党を成して今の理論が成り立ってるてゆう事実。
いやどんな学問でももれなくそうなんやろけど、ここで言いたいのは、サイモン青木コンビだからこそ、天文学とゆう一般的に理解されにくい学問のドラマチックな裏側をドラマチックに伝えてくれてるってゆうとこ、
コレぞ本を読む最大の意味!!
個人的にビッグバンについて何も知らんかったので、なぜビッグバンの理論が出てきたかの過程を知れたのが一番オモロかった。
- 観測の結果、どうやら数ある銀河はみんな、距離に比例した速さで遠ざかってるようだ(=宇宙は膨張し続けている)
- それってつまり速度と距離から、ゼロ距離だったのが「いつ(時間)」かが推定できるよね
- ゼロ距離、ってつまり宇宙の始まりじゃん!
てゆう流れ。後半は章タイトルを見るに起源について書かれてそうやからもう今から楽しみでしゃぁない、、!
上巻で自己啓発的に刺さったのはやっぱアインシュタインの思考実験。頭ん中でひたすらに実験を繰り返して論じるってゆうシンプルなやり方やけど、16歳の時の思考実験中にニュートンの理論に疑問を持って、その後何年もかけて理論を覆していくってカッコ良すぎやろ、、俺も実務で思考実験繰り返そう、、
あと「オッカムの剃刀」。
二つの競合する理論があるならば、よりシンプルなもののほうが正しい可能性が高いというものである。
これいいなぁ。年明けの会議で揉めた時に、「いや、けどこの場合オッカムの剃刀的にはぁ〜」とか言って浮いた存在になりたい。