金曜は有給を取って娘の保育参観に行った後、新幹線とバスを駆使して広島の鞆の浦温泉へ。娘が生まれてからこういった地方に旅行することが多くなったけど、行くたびに「どこにでも生活はある」っつー当たり前のことに気づかされる。今回のハイライトは港町で朝一から空いてる土産屋のおばあちゃん。釣り銭間違えたり商品くれんかったりでボケボケやったけど、娘を「おしゃまさん」と言ってくれたトコでその可愛さに悶え萌えた。
ただ、そろそろいい加減海外行きたい。ウラジオストクが実は日本から二時間てことを知り俄然行きたくなったものの、調べれば調べるほど子連れ旅行には不向きな土地に感じてきたのでペンド。。無難にシンガポールやケアンズだろうか。GWは絶望的やからお盆、、
昨年読んだ『真犯人はそこにいる』に続き、清水潔さんの『桶川ストーカー殺人事件』を読んだ。
ストーカー規制法が制定される契機となった事件。異常者からのストーキングの末に殺されるという最悪の結末の裏で塗り固められた警察の嘘を、著者が白日の下に晒していくというノンフィクションもの。嘘、というのは、そもそも被害者の女性が警察に対し度々助けを求めていたにも関わらず無視し、告訴状を書き換えたこと。更には自らの嘘を認めたくない=加害者はストーカーしてたと認めたくないとゆう警察側の理由から、裁判で事あるごとに被害者遺族を攻め立て、挙げ句の果てに押収した遺品を遺族に返さなかったこと。この辺り『真犯人は〜』とほぼ同じ、「自分は悪くない」を正当化するために犯罪行為すら厭わない国家権力を描いてます。
印象的やったのが、途中ミスターTと呼ばれる警察関係者が放った「警察も所詮はサラリーマンで、家族や恋人がいて、自分の身を守りたい」というセリフ。規模は違えどこないだ読んだ『HHhH』、あれは世界全体がマヒして人一人の命が軽くなった結果生まれたカオス。本件も第3者目線から見ると警察のやり方がおかしいことは一目瞭然やのに、当の本人らはマヒした組織の中にいて、告訴状の書き換えもルーチン業務の一部、くらいでしか無かったんやろうなぁと想像つく。何事も、馴れ合いからうまれる井の中の蛙感ほど危険なものはないと感じた。
今回の件は著者が独自で取材しメスを入れ続けてようやくこうやって知ることが出来てるけど、不当なまま収束させられた事件はその何十倍も潜んでるって考えると未来は暗い。清水さんみたいな記者が実はたくさんいることを祈ります。