研修で大量の同期と久々に会ったが、半分くらい名前が出てこんくて自身の脳の萎縮を感じた。前は休み時間になると所構わず喋くったり廊下で写真撮ったりしてたのに、今は講義が終わるたびみんなPCを広げてメールをチェックしたり外へ出て電話し出したりする。たまたま同じ年に生まれてたまたま同じ会社に入ったからって無理に仲良くする必要ないよな、昔はやっぱ無理して共同体作ってたんよなと、なんとなく甘酸っぱい気持ちになった。
せっかく久々に大阪駅に出てきたってことで、研修後の飲み会を華麗に無視して、前に奥さんが職場でもらってきてくれた「ねんりんや」のバームクーヘンを買いに行った。バームクーヘンなんてどれ食べても一緒やろと30年間思ってたけど、ヤベエやつはやっぱヤベエてことに31年目にして気付かされた、それくらい美味かった。ディズニーランドのように謎に混み合う阪急梅田地下を何とか潜り抜けてバームクーヘンをゲットし先ほど食しました。ああああやはり美味い。ホール買ったのにあっという間に食べ尽くしてもうたTGIFでした。
友人のススメ『テロ』を読み終えた。
はからも『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』に続きテロもので本作はフィクション。ハイジャックされた旅客機が7万人いるスタジアムに突っ込もうとしている状況で、ひとりの軍人が旅客機を撃ち落とし、乗客164人を死なせたことで罪に問われた事件の法廷という設定。戯曲のように全てセリフで物語が淡々と進行するという構成ながら、被告人、検察官、弁護人それぞれの主張が短時間のうちに次々やってきて、何度も感情が揺さぶられた。
面白いのが、物語が最後に「有罪編」と「無罪編」に分岐するところ。悪く言えば「私には結論づけられません」という著者の責任放棄やけど、そもそもこの問題は「結論づけられないという結論」に帰着するしかないので、作品内で答えを求めるのでなく、作品を通じて読み手を考えさせるというとこに意味がある。実際俺の場合も、はじめ被告人の見事な正義に胸を打たれてたのに、検察側の「ならば旅客機に貴方の奥様が乗っていた場合はどうですか?」の問いにハッとさせられ、それに対する「私は答えられません。何を言っても嘘になるから」という答えにしばらく固まる、みたいな心の揺さぶりに度々あった。自分の家族が旅客機に乗っていたならば被告人を殺したい程憎むやろし、自分の家族がスタジアムにいたならば被告人をとことん守ろうとするやろうと思う。人の命を天秤で図るというタブーのテーマに踏み込みながら結論を避けるという、ありそうでなかった作品。
んで著者の経歴見て思い出した、これ翻訳大賞取った『犯罪』の著者やんけぇ!!!てことで徒歩0分の本屋、kindleで即座に『犯罪』ポチりました。そんな3月の始まりです。