『THE HATE YOU GIVE』を読んだ。大判で毎日重かった。映画もあるそうで迷ったが先に本読んで良かった、素晴らしい作品でした。
The Hate U Give: The Book Everyone’s Talking About (Extended sampler) (English Edition)
- 作者: Angie Thomas
- 出版社/メーカー: Walker Books
- 発売日: 2017/03/13
- メディア: Kindle版
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16歳の黒人少女スターが主人公。カリルという幼馴染とドライブ中、白人警官に車を止められて取り調べを受けている最中、カリルが少し動いた動作が武器を出そうとしたと勘違いされ、銃殺されてしまう。100%警官の過失であるにも関わらず逮捕されない現状を打破すべく、スターはメディアや法廷で真実を語る、、あらすじはこんな感じ。
ここから分かるように一貫して「人種差別」がテーマ。閉じた島国ニッポンで生まれ育った人間には知る由もない、脈々とアメリカに残り続ける問題やろうけど、こういったことを日常の中で考えさせてくれるあたり、やっぱり本(特に洋書)を読むことは他のどんな行為よりも尊いと感じる。本作の焦点は「被害者が貧困街出身の黒人で加害者が白人」てとこで、どちらでも無い黄色人種の俺から見たら、加害者が逮捕されない(むしろ少し賞賛されてる)という状態はアンバランス以外何者でも無い。けどこれは日本で例えると、ちょっと違うかもしれんけど同和問題やネトウヨに近いんやろか。そこにいるとあまりに当たり前過ぎて違和感に気づかないってゆうヤバイ大衆意識。
主人公スターはそんな烏合の衆ではダメだと声を上げ始めていく、それが中盤以降で、そっから仲間もどんどん増やして活動していくサマはかなり勇気もらえた(映画も観てないけど映える場面やろう)。結末は決してハッピーエンドとは言えへんけど、終盤にスターが放った言葉が著者の1番のメッセージに聞こえた。
育った場所も、経験してきたことも変えられないのに、どうして自分を形作るものを恥じたりしなくちゃいけないんだろう。自分自身を恥じるようなものなのに。
これはスゴい。日本人によくある「卑下する」という悪しき習慣はスターのこの言葉で一蹴できる。いつも出身の埼玉を卑下してる会社の同期に今度「お前、それ自分自身を恥じるようなもんやぞ」と言い放ってやろうと思う。
今週末映画も観ようと思う。