ドラマで漫才とゆうかなり危険な匂いのする挑戦に思えたけど見事やった。物語のいざこざとか割とどうでもよくて、とにかく毎話挟まれる役者さんたちの漫才の緊張感がたまらんかった。裏側とか知らんけど、漫才のシーンに限らず要所要所アドリブっぽい時間が随所に見られて(セリフ被って笑てまうシーンとか)、その辺も森田まさのりさんっぽさが出てて良かった。とにかく、駿河太郎さんと小芝風花さん!!すみません恥ずかしながら全く存じ上げませんでしたが、異常にうまくて見入ってしまいました・・お二人に計4回くらい泣かされました。8話という長すぎない時間でさっと切り上げたのも素晴らしい。
あとジュンク堂に何気なく入って何気なく椎名林檎の本買ったら面白かった。
2020年も東京事変の年だ!と思って買ったけど、2014年に既に出てたってことで無知さを恥じた。雑誌のSWITCHに2007年〜2014年に掲載されたソロおよび東京事変としてのインタビュー集で、『スポーツ』製作の裏側とか『NIPPON』が生んだ炎上についてとか、今思えば気になってたことを椎名林檎ご本人が語ってるのを初めて知った。
面白いのは椎名林檎の自信のなさ。謙遜ももちろんあるやろけど、「自信作です」とかゆう言葉が一切出てこないのは表現者として珍しくないか?『真夜中は純潔』出したあたりの
『もうロックって言わないで!普通なの!最初から言ってるじゃん!地方によくいる音楽好きでたまたま運が良くてレコード作ってもらえた人間ってだけなんだよ!』
といった心情描写など。インタビュアーも時折不思議がるほどなよなよしてる様はあんま知らんかったので新鮮やった。
一方で自分の作品以外の、音楽への姿勢とかの話になると言葉が強くなるのも面白い。
自分にやるべき使命があるのに、他人に憧れて、あの人がかっこいいからああいうのをやりたいなんて思ってやるのは、大人ならもうしちゃいけないなって思う。
『そんなに個性的だって思われたいのか?』という批判も耳にしましたが、むしろ本当は何も感じてない人が何かを書こうとするとき、普段絶対使わないようなテンプレートをコピペしてお茶を濁すわけでしょう?
そのための便利な元ネタがネット上で拾えなければ一言も口を利けなくなるような人々から、自分なんぞが何と非難されようと結構です。
作品にも現れる芯の太さは、「人に批評されるのは大いに結構やけど自分に厳しい性」を持つ椎名林檎が生んだものなんやなぁと改めて実感。とりあえず『NIPPON』と『静かなる逆襲』は今年のプレイリストに突っ込んどいた。