奥さんが「このままのペースやと私、今年200冊くらい本読めるわ」と言っていた。確かに在宅ワークの休憩時にたまにリビングいくと、ほぼ100%授乳しながら寝てるか読書してる。教育か金かインテリアの本ばっかで微妙に趣味が合わんが、唯一フェミニズム関連の本は、森喜朗のお陰でモチベ高まってたんで嬉しい。レビューが追いつかんくなってきたが記録して残さねば。デパント著『キングコング・セオリー』、バービー著『本音の置き場所』、村田沙耶香著『きれいなシワの作り方』読了。
どれも良かったが特に素晴らしかったのは『キングコング〜』。「人気女性作家が17歳の時に経験したレイプ被害と、その後の個人売春の経験をもとに、性暴力、セックスワーク、ポルノグラフィについての独自の理論を展開するフェミニズム・エッセイ。」というセンセーショナルなキャッチコピーに、口語体な感じも相まって、読み始めちょっとソワソワしてたが、言ってること自体はたびたび腑に落ちることが多かった。特に印象的やったのはレイプの章。「レイプ」という言葉自体がタブーとされがちで、被害を受けてるはずなのに発言することで寧ろ軽蔑されてしまいかねないこの世界で、著者は「立ち直ることへの重要性」を説いてる。(訳のせいか若干理解しにくい理屈が多いが、自分なりに解釈すると)レイプは何故か被害者への「そんな格好してたお前も悪い」的な好奇の目を向けられてしまい、被害者自身もその念にかられがちやけど、当然ながられっきとした犯罪であり、他の犯罪と同じく裁かれるべき。だから被害者が「レイプされた」ことを堂々と話せる世界を目指せ、とゆうのが著者の主張。至極真っ当やねんけど、レイプに関してはなぜかあんまりこの主張を聞いたことがない気がする。
日本で言うと近年似たようなのが「イジメは犯罪」という風潮やと思う。これは件数が多いこととSNSで発信できることが後押ししてるとは思うけど、レイプだってそうあるべきだってのは、決して件数が少なくないことを教えてくれる上間陽子さんの著書とか読むと感じる。やからこのフェミニズムの転換期に乗じてレイプの認識も広まればいいと強く感じた。
バービーと村田沙耶香さんはいずれも素晴らしいエッセイ。バービーの理屈っぽさは又吉、村田さんの淡々としたユーモアはさくらももこを彷彿とさせた。日々のささやかな喜びを切り取って面白おかしく伝える能力に感銘を受けたし、素人ながらブログ続けようと思えるエールにもなった。