碇雪恵さん『35歳からの反抗期入門』読了。
35歳からの反抗期入門 / 碇雪恵 | 1003 ONLINE STORE
ライターさんだが、新宿ゴールデン街「月に吠える」で店番してると書いてあり、植本一子さんと同じ職場!?というのもちと気になる著者。35歳のころに書いたブログを集め、追記として現在の心情を各章に付してるのが面白い。タイトルが割とセンセーショナルやけど、「反抗期」というよりは、迷いや悩み、答えのない事象に対する逡巡、といった印象が近い。小田急の殺傷事件については正にこないだ『フェミサイドは、ある』で読んでたけど、本作ではネットの声に動揺しつつも、自分の頭でしっかりと考え、短絡的に加害者・被害者を区分けしないよう慎重になってる様、そしてそんな自分は加害者擁護なのだろうかと苦しむ様がありありと書かれてて、なんか植本さんの著作とか読んだ時に感じる「書かなきゃ立ってられない」感があってヒリヒリとした。
せめて、「雑」で「幼稚」な言葉を、まずは自分が使わないようにしたい。「正しい」と「正しくない」のあいだの葛藤を受け入れる場所を、まずは自分の心の中に持ちたい。
あと『花束みたいな恋をした』『すばらしき世界』など、映画や文学に触れたときに己の中で生まれる感情をことばにしてるのはすごくいいなと思った。特に『花束〜』は期間にしてブログ3回分くらいモヤモヤを溜めたのち、最終的にラジオで吐き出してスッキリするというオチで笑った。