- 作者: 遠藤浩輝
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/06/23
- メディア: コミック
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『オールラウンダー廻』 / 遠藤浩輝
★ × 80
(内容紹介)
総合格闘技「修斗」に打ち込む高校生の高柳廻(たかやなぎメグル)は、小学時代の友人である瀬川喬(せがわタカシ)とリングの上で7年ぶりの再会を果たす。しかし、昔は気の合う仲だった二人だが、育った環境の違いからタカシはメグルを敵視する。再会の喜びを交わすことなく、旧友同士の試合が始まってしまうのだった……。『EDEN』の遠藤浩輝、最新作は修斗する仲間たちとの格闘技×青春物語!
格闘技やってる友人に紹介されたマンガ。
『聖おにいさん』以外マンガを買う習慣は無かったですが、こいつに至っては絵やストーリーを味わうというより、まあとにかく格闘技の勉強目的になってしまいます。
て思うくらい、格闘技知識のオンパレードで非常に興味深いです。
主人公廻(廻)が格闘技を始めたきっかけは、幼い頃に親をヤクザに殺された経歴を持っているため。
「自分が強くなって何かを守りたい」という思いで格闘家になった有名なプロ選手は沢山いますが、廻も然り。
廻には昔空手同情で気の合ったタカシという友人がいましたが、父親を殺された事件から疎遠となります。
しかし数年後、廻の「修斗」アマデビュー戦で対戦相手となったのは、同じく総合格闘技を練習してきたタカシでした。
二人はその後ライバル関係として切磋琢磨し…
という、家族構成やライバル関係等々、恥ずかしいくらい全てがスポコン漫画の定石。
加えて(声を大にして言えませんが)絵も決して飛び抜けて上手いとは言えず…どこに需要あるのかと言えば、十中八九友人のような格闘技をやっている人達、そして私のようにブラウザからシコシコ観戦しているニワカファンに帰着するのでしょう笑
一番面白いのは、ブラウン管の向こうに出ない格闘家の日々の努力が、リアルに描かれている点。
「修斗」とは日本が生んだ歴史ある格闘技団体で、佐藤ルミナや宇野薫といったスター選手を生んできたことで有名ですが、
まあどんな競技でもそうでしょうが、彼らの下にごっついランキングピラミッドが積み上がっていて、氷山の影ではどういった人々が普段どういった生活をしているのか、
当然私たちには見ることができないその世界を見せてくれるのが本作の醍醐味。
まだ連載中なのでどうなるかは分かりませんが、おそらく最終話までずっとこの様子でしょう、まさか拳が消えたり関節が2回曲がるような超人技が出てくるとは思えませんし。
地味にコツコツ、が似合う登場人物達にフォーカスを当てた日本ならではのコミック。
アニメ界に聖地巡礼があるように、私も本作を読んで
「修斗観てぇ…」
とだけ只強く思いました。