- 作者: 山崎ナオコーラ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/03/22
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 32回
- この商品を含むブログ (68件) を見る
『論理と感性は相反しない』 / 山崎ナオコーラ
★ × 78
内容(「BOOK」データベースより)
神田川歩美と真野秀雄は、つき合い始めた頃にときどきケンカした。真野の論理と、神田川の感性は、ぶつかり合いながらも共生の道を探っていくが…(表題作)。男と女、宇宙、音楽と文学、伊勢物語…それぞれの登場人物がオーバーラップして展開していく十四編。意欲に満ちた、著者初の書下ろし小説集。
久々ナオコーラさん。
タイトルと装丁は二度見してしまう程魅力的。
『人のセックスをわらうな』『おとうさんだいすき』のグッとくる印象そのままに、ワクワクして手に取りましたが…
なかなかの冒険モノでした、ちょっと私には理解し難かった。
全15話から成る短編集。
ストーリー性のある30頁程度のものがあれば、風景描写のみ6頁で終わるものがあったり、ある主人公が複数の物語に出てくるけれどそこに特に意味はなかったりして、正直ぶっ飛んでいること自体が面白いと思わなければ、とてもじゃないけれど最後まで読めないような小説でした。
以前『男ともだちをつくろう』という対談集を読んだとき、あとがきで「誰にも真似できないような作品を書いていきたい」といったことを書かれていて、本作からその信条はビシビシと伝わってくるのですが…
「人間が出てこない話」「まったく新しい傘」「嘘系図」などは、確かにこれまでに経験したことのない文章でした。
けれどそれが例えば円城塔さんのような「今俺は、ものすごいものを見せられている!」という興奮を伴う経験というよりは、言葉は悪いですが「よく分からないから早く終わらないだろうか」という、
ファンの方には失礼に値する(いや、俺も結構ファンなんだが)気持ちのまま読み終えてしまいました。
少し残念でしたが、これがナオコーラさんの唯一無二感に化けることを願ってファンは辞めません。