いつかどこかで書こうと思っていた、紙の書籍と電子書籍についてです。
もういろんな場所でいろんな人が何度も何度も議論していると思いますが、私自身あまり迷うことなく、以下のような意見を持っております。
まず、活字から得られる情報量という意味で、紙と電子に何の差異もないという話。
バックライトの有無やわずかな文字フォントの違いだけで、ニュースペーパーだろうが小説だろうが、インプットの質は全く同じ。
違いがあるとすれば、紙でめくって嬉しいとか、電車内で電子ペーパーで読むことの優越感だとか、あくまで個々人の欲求満足だけ。
だからどちらがより質の良い読書経験をしているかなどという議論は全く無意味で、紙に慣れた人は紙がいいんだろうし、電子の時代を駆ける人はそれでいいんだと思う。
私が決定的に違いを感じるのは、紙の本を買うことの物的欲求の部分です。
1つの媒体に複数の作品を詰め込む電子とは違い、紙は1つのインテリアとして、生活用品として重量を以て我々の生活に(良いか悪いかは別にして)残っていく。
買えば純粋に部屋のスペースを、その本の堆積だけ消費することになり、朝起きて外出するまで、そして帰宅して寝るまでの我々の視界を昨日までとは異なるものとする影響力を持つ。
その体積や視覚が例えば非常に悪影響であれば、紙の作品は買う価値が無い。
反対に質の良い、手にし目にするだけで体内の快楽物質が幾分か生まれるような作品は、得られる活字の情報量以上に価値を持つ。
電子の表紙をスリープモードオフにして常時部屋に置いておくことで、前述の満足度は得られますか?と問いたい。
言葉が非常に汚いので紙信者だと思われそうですが、勿論私も新聞やコンピュータ関連の分厚い書籍は電子で読みたいですし、電子で読むことの「先行ってる感」で幾分か満足しますよ。
言いたいのは、
「紙と電子と、どっちがいいと思いますか?」
とか、
「将来、紙の書籍は無くなると思いますか?」
と言った質問や議論を耳にする度、それらはつまらん質問だよなぁ、ということ。
乱文失礼いたしました。