- 作者: アダムファウアー,Adam Fawer,矢口誠
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/08
- メディア: 単行本
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『数学的にありえない』 / アダム・ファウアー
★ × 93
内容(「BOOK」データベースより)
ポーカーで1万1千ドル大敗し、マフィアに追われる天才数学者ケイン。だがその時、彼を悩ませていた神経失調が、驚異の「能力」に変わった。それを狙う政府の秘密機関と女スパイ。彼らが権力を駆使して追う「能力」とは?執拗な追手にケインはどう立ち向かうのか?幾つもの物語が絡み合う超絶ノンストップ・サスペンス。
タイトルがずっと気になっていて、ただ分量多めなところに恐れをなしてなかなか手を出さなかった作品。
とりあえず上巻だけのレビューです…いやぁサイコーー!!下巻楽しみ!!
あらすじはなかなかに説明しにくいのですが…
主人公は数学者のケイン。癲癇、統合失調症を患っており、教壇に立つと発作を起こして意識を失ったり、現実と妄想の判断がつかなくなってしまうことがある。
『ビューティフルマインド』のナッシュのような症状が、文字として起こされているイメージです。
小説はケインがカジノで大借金を負うところから始まるものの、役者はコロコロ動き、舞台は目まぐるしく展開していきます。
始めのうちはその役者を覚えるのに必死。
付録として主な登場人物が記載されているので、新しい人物が登場する度に照らし合わせるという、集中力散漫な私からするとあまり好きではない読み方をしなければなりません。
しかも彼らは例えばCIAの秘密工作員であったり、人体実験を繰り返す科学者、宝くじで大金を当てた者…など、一切数学者のケインに交わりそうにないステータスから登場してくるので、関係が見えて来ず非常に覚え辛い。
始め50頁ほどは我慢の季節かもしれません。
けれどその季節を抜け、じわじわ役者が交わり出してからは止まらん!たまらん!
『CUBE』や『SAW』など、よくある「気づいたらここはどこだ?俺たちは何者だ?」的ミステリーに近いものがありますが、ケインはなぜ追われているのか、この物語の終着点はどこにあるのか、そういった疑問を解いていくことにこの小説はフォーカスされているということに気づいてからは本当に一気でした(と言いつつもまだ上巻ですが)。
上巻ではケインがどうやら複数の人物から狙われる重要ファクターであり、ケイン自身にもそれに気づき始めたという程度のところまでしか行かないので、下巻に更なる加速が待っていると思うと…あぁヨダレもの!
あまり上巻だけのレビューをしても意味がないのでこの辺で…下巻に進みます。