先日、磯崎憲一郎さんの「終の住処」を読みました。
読みやすいのでサクサク進んだものの、何を伝えようとしているのか、どこに共感すればよいのか全くわからないまま終わりました。
やはり芥川賞、振れ幅が広いぜ…
本を選ぶ際、やはり文学賞を取っている安心感というものはとても重要です。
ただし全ての賞が万人の肌に合うとは限らず、個々人に合う文学賞というものがあるはずです。
ということで勝手に、私自身にはどの文学賞を受賞した小説が往々にして好きなのか探ってみました。
以下、主な文学賞と過去読んだ作品
◆直木賞
・鉄道員(ぽっぽや) / 浅田次郎 ・理由 / 宮部みゆき
・プラナリア / 山本文緒 ・ビタミンF / 重松清
・4TEEN / 石田衣良 ・号泣する準備はできていた / 江國香織
・空中ブランコ / 奥田英朗 ・対岸の彼女 / 角田光代
・容疑者Xの献身 / 東野圭吾 ・まほろ駅前多田便利軒 / 三浦しをん
・小さいおうち / 中島京子 ・下町ロケット / 池井戸潤
◆芥川賞
・きことわ / 朝吹真理子 ・苦役列車 / 西村賢太
・終の住処 / 磯崎憲一郎 ・ポトスライムの舟 / 津村記久子
・乳と卵 / 川上未映子 ・土の中の子供 / 中村文則
・パークライフ / 吉田修一 ・きれぎれ / 町田康
・限りなく透明に近いブルー / 村上龍
◆山本周五郎賞
・ふがいない僕は空を見た / 窪美澄 ・光媒の花 / 道尾秀介
・果断 / 今野敏 ・夜は短し歩けよ乙女 / 森見登美彦
・明日の記憶 / 荻原浩 ・パレード / 吉田修一
・泳ぐのに、安全でも適切でもありません / 江國香織 ・エイジ / 重松清
・閉鎖病棟 / 帚木蓬生 ・火車 / 宮部みゆき
・TUGUMI / 吉本ばなな
◆本屋大賞
・舟を編む / 三浦しをん ・天地明察 / 冲方丁
・告白 / 湊かなえ ・一瞬の風になれ / 佐藤多佳子
・東京タワー オカンとボクと、時々、オトン / リリー・フランキー ・夜のピクニック / 恩田 陸
・博士の愛した数式 / 小川 洋子
◆このミステリーがすごい!
・行きずりの街 / 志水辰夫 ・模倣犯 /宮部みゆき
・半落ち / 横山秀夫 ・葉桜の季節に君を想うということ / 歌野晶午
・生首に聞いてみろ / 法月綸太郎 ・容疑者Xの献身 / 東野圭吾
・独白するユニバーサル横メルカトル / 平山夢明 ・悪の教典 / 貴志祐介
・64(ロクヨン) / 横山秀夫
◆吉川英治文学新人賞
・鉄の骨 / 池井戸潤 ・ 天地明察 / 冲方丁
・田村はまだか / 朝倉かすみ ・ジョーカー・ゲーム / 柳広司
・一瞬の風になれ / 佐藤多佳子 ・隠蔽捜査 / 今野敏
・夜のピクニック / 恩田陸 ・幸福な食卓 / 瀬尾まいこ
・アヒルと鴨のコインロッカー / 伊坂幸太郎 ・地下鉄に乗って / 浅田次郎
・今夜、すべてのバーで / 中島らも ・99%の誘拐 / 岡嶋二人
と並べてみましたが、ざっと印象でまず、本屋大賞、このミスの受賞作は面白いものばかりでした。(メルカトル以外笑)
特に本屋大賞はすごいなぁ。めっちゃくちゃ売れたものばかりだし、実際の実力も備えていますね。
意外に直木賞があまり好きな作品が無い。
過去に「俺は山本周五郎賞が合うんじゃないか」となぜか思った時期がありましたが、こう振り返ってみるとそこまでぴったりって程でもない。
センスを感じたのは吉川英治文学新人賞。
田村、らもさん、そして幸福な食卓あたりのチョイスはなかなか痺れるな…
選考委員が気になったので調べると、浅田次郎、伊集院静、大沢在昌、恩田陸、京極夏彦、高橋克彦…あら、意外と予想できる面子でした。
ただ振り返ってみるとなかなか肌に合うものが多い、今後も要チェックです。
そしてやっぱり芥川賞は振れ幅大きいです。
ただ「きれぎれ」のような『非読書体験』とでも呼ぶべき作品を知ることができるのは芥川を通じてだし、感性を深める意味でも定期的に純文学に触れていこうと思います。
ダラダラ並べましたが、基本的に文学賞を受賞した作品は、どんな文学賞であれ往々にして面白いものばかりだった、という当たり前の結論に至りました。笑