最近娘が夜8時になると奥さんを連れてスッと寝室に行き、30分も経たないうちにスースー寝るようになった。あれだけ寝なかったのに成長著しい。てことで休日の夜8時半以降は大人のフリータイムで、大抵は各々の読書orスマホなんだが、年末にHuluからAmazonプライムに移行し、年明けに観た『永い言い訳』が良すぎたので、今更ながらプチ映画ブーム。日曜は奥さんとさんざん迷った挙句『そこのみにて光輝く』選択。
どん暗いとは聞いていたものの思っていたより観やすく、同じ監督の作品なら『きみはいいこ』の方が精神的にキツかった。貧困層の設定で、仮釈放中の菅田将暉の面倒を雇われ主に見てもらう代わりに、雇われ主に体を売ってる姉の池脇千鶴という構図、そこに主人公の綾野剛が現れ池脇千鶴に恋をし、現実に抗うという話。観やすいとは言え決して明るいモンでもなく、特に池脇千鶴が父親のナニをナニするシーンはさすがに目を覆いたくなった。個人的には主人公の綾野剛に特に感情移入もなにもなく、ただただ池脇・菅田きょうだいのイカつい演技力に圧倒された。池脇千鶴は言わずもがなだがびっくりしたのが菅田将暉、どうしようもない性格、けれど作中で唯一のムードメーカー的存在(最後には人を刺しても尚笑顔)で、こんなにも上手いだなんて知りませんでした、地元が同じ身として御見逸れしました。
唯一の救いは最後に父親が池脇千鶴を認識したそのシーン、まさに「そこのみ」光輝くのだが、それまでのドン暗い描写から一気にカタルシスとはならず。ストーリーだけをみると失礼ながら陳腐だが、役者の表現力を観るだけでも2時間いける作品だった(あ、けど綾野剛の必要性はやはりよく分からなかった)。