このミス大賞たちを旅行中に2冊読みました。
『爆弾』 / 呉勝浩
このミスで売れまくった作品。些細な時間で捕まった加害者スズキの聴取を進めるうちに、スズキの都内爆破の予言が2連続で的中し死者が出てしまい、そこからはジェットコースターのような謎解きが連打される、ど真ん中ミステリー。
加害者・スズキと警察官・類家の攻防がともかく見どころ。論理立てて高速にディベートするさま（いや勿論フィクションですが）はひろゆき味も呂布カルマ味もあって見応えたっぷり。疑うべき人や事象もコロコロと変わっていくため、以前観た『最愛』というドラマのように映像化も容易に感じた。
ただ、警察署にいながらにして東京を次々と計画通り爆発していく設定はさすがに少し無理があると感じた。類家以外の警察官もキャラは立ってるんで、塩田武士さんのように本筋以外の部分で人間ドラマをもっと押し出してもいいのでは？という印象でした。
『方舟』 / 夕木春央
こちらもちょい前に爆発的に話題となったこのミス受賞作。男女数人が森の奥にある地下の密室に閉じ込められ、誰か1人を殺さなければ全員出られないという密室モノミステリー。
最後に超弩級のドンデン返しが待ってるという触れ込みがあったものの、、、
登場人物たちの発言や行動に全く現実味がなく、機械的なストーリー展開に終始違和感を感じたまま読み終わってしまった。
なんでやろ？事件が起こったのちに現実として受け入れるまでの速度が速すぎるのか、単に文章の表現として巧くないと感じたのか、とにかく感情移入できなかった。ドンデン返しも確かにあったのはあったが、終盤までに蓄積され切ったその違和感が大き過ぎて、気持ちはドンデン返されず、、という感じでした。申し訳ないorz
