『傲慢と善良』に続き小説期間。
『エレファントヘッド』/ 白井智之
いつぶりかのサイコスリラー。ゴリッゴリのミステリー、伏線に次ぐ伏線、万単位のピースを隙間なくはめていくパズルの如く!どうやってこんなん思いつくんや、、と感動しました。
初っ端は少し熱量低めかな?と思いつつ、第1章の終わりから一気に殺人、臓器、薬物、拷問、爆破、エロ・グロとてんこ盛りの描写で駆け抜けつつ、核は後半にかけて畳み掛けられる怒涛の推理。いわゆる多重解決ミステリであり、推察Aが展開され、その矛盾を推察Bが突き、その後Cが、、と繰り返し上書かれていく。最後はもはや何度塗りされたか分からなくなり、けれど回収されなかった伏線は一つも落ちてないという見事な読後感。
内容に触れづらいところもあるが、映画で言う『テネット』『インターステラー』等のクリストファーノーラン作品を観た感覚のよう。グロが先行しがちなので苦手な人は少なくないけれどれっきとした良質ミステリーでした、素晴らしい!
『52ヘルツのクジラたち』/ 町田そのこ
一方で初の町田そのこさん、これはとても苦手な作風でした、、本屋大賞も受賞した本書。血の繋がりとは何か?をテーマにしたハートウォーミングもので嫌いなジャンルではないのですが、セリフの言い回しが終始ドラマ仕立てなのと、主人公があまりに周囲の人物に助けられ過ぎという二点で現実離れ感に耐えられなくなり、最後まで熱が戻って来ず、、同じくドラマ仕立てな『傲慢と善良』にこの印象は無かったので読み手である自分の気持ちの問題だったのかもしれません、、作者に罪は無いので時間を置いて別作品を読みます。

