明けましておめでとうございます。年末は温泉に行った後奥様の実家に帰り、閉ざされたカントリーサイドで粛々と過ごしております。
早速ですが忘れぬうちに大晦日に行われたRIZIN.20の感想を。
・全体
大袈裟でなく、過去最も素晴らしい大会だった。UFC入れても遜色無い気がする(とはいえフル尺でUFC観たのってUFC200くらいだが)。勿論技術の観点では北米MMAに遠く及ばないのは承知やけど、前日の公開計量の面々とかを見てると、今国内MMAで出来る最大限のエンターテインメントを過不足なく実現してるなーとゆう感じで血が湧いた。あと俺はGYAOで観てた身なんで当然会場の熱を肌では感じてないけど、1試合目のムサエフvsケースの開始ゴング時点から「え、何でこんなに盛り上がってんの?」と驚くぐらいタブレット越しに声援が聞こえた。あのカードであの空気はRIZIN以降の新参ファンだけだと作れないやろし、かと言ってPRIDEおじさんだけでもない、新旧の声が入り混じって初めて為せる技やと感じて、ちょっと胸がグッとなった。しかもその一見過度とも思える声援の初速が、各試合の魅力により決して弱まらず、後半どんどん膨れ上がってく様は感動した。去年のM1でも思ったけど、出場者と観客のバイブスの相乗効果が見事にハマってた。こんな大会は今後無いように思う。
・個別
個々の試合もとにかく素晴らしく、捨てカードがマジで無かったんやけど泣く泣くピックアップしよう、、
個人的FONはライト級GP決勝のムサエフvsフレイレ。RIZIN縛りやとFOY。RIZINは視聴率というキョーレツな第三者ジャッジが付き纏う以上、純粋な強さ以上に話題性・国民性でカードを選ぶ必要があるので矢地や川尻を出さざるを得んのは仕方ないが、ムサエフのように「単純にヤベー外国人」がベルトを巻くのはやはり素晴らしい。とゆうかGPの準決4人やと正直誰でも良かったけど、フレイレとケースはどうしても他団体の選手感が拭えんかったんで、RIZINが産んだ(って言って良いよな?)ムサエフが頂点取ってより嬉しい。Bellator背負うフレイレが負けたってことで、今後いずれかの団体で統一戦が組まれるのは間違いないし、それを思うとムサエフは矢地あたりとアイドリング試合を上半期に挟んで、そのあといざチャンドラーとガチンコ試合組んで夢を見させてほしいと願う。
あとは生中継一発目のカードだったらしいRENA vs リンジー・ヴァンザント。大会前はあんま騒がれてなかった気がするんやけど、RIZIN的にはかなり重要なカードやと思ってたがどうなんかな?RENAは前Bellatorでものの数分に負けてるし、このリマッチを今回ホームで落とそうもんならマジでMMA引退あると思ってたんで、そうなると視聴率女王を失うことになるぞRIZIN、、!と割とドキドキしながら観てた。が蓋を開けてみればやはりスター!!前回同様のグラウンド展開の危機シーンも見せつつキチンと対処し、「やっぱ立ち技の選手やなぁ」と思い出させるキョーレツなスタンド技術も健在で、最後はTKO勝利で号泣シーンも入れる。浅倉や浜崎ではなし得ない、マスに刺さる魅せ方を意識的にも無意識的にも実証してて、号泣シーンで感動も相まってちょっと泣いた笑。 ルックスに似合わず、光と闇があれば何故か闇が似合うRENAやけど、彼女のMMA人生も多分そう長くは無いんやろなと何となく感じるので、これからもしっかり観ようと思った。
あとインプレッシブファイターで言うと、これも毎度のことやけど山本美憂と那須川天心。山本が毎試合進化するベンジャミンバトンなことは有名やけど、今回のアムザロケットは23歳の新進気鋭女子、さすがに年齢倍やぞキツいやろ、、と思てたら、3R全くスタミナ落ちることなく華麗に漬けきって完勝。どうなっとんねん!山本の試合は塩っぽいっつう批判をよく見るけど、個人的には15分間漬けきることの凄さをただ堪能するだけでも十分観る価値があるので、1RKOを欲するSNS世代の方々へのアンチテーゼの化身として是非これからも漬けまくってほしい。
天心は言わずもがな。年末にクソしょーもないゴシップで勝手に注目させられて実に可哀想やったけど、逆に逆手にとって圧勝する21歳。彼だけはパラレルワールドに生きてるように思うので、RIZINにおいては2020年も超人シュタイナーの感覚で観続けたい。
その他にもケイプののし上がり方と朝倉海の転落っぷりの切ない対比、いい意味でやることが出来た浜崎と石渡など、見所満載やった大会。地上波という呪縛に屈さず、これからもガチカードを見たいという気持ちが切に湧いた。今年もよろしくお願いします!!