2013-01-01から1年間の記事一覧
『これからお祈りにいきます』 / 津村記久子 ★ × 91 神様に「これだけは取られたくない」ものを工作して申告し祈りを捧げるという、奇妙な祭りがある町に育った不器用な高校生シゲル。 父親は不倫中、弟は不登校、母親との関係もうまくいかない閉塞した日常…
『明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち』 / 山田詠美 ★ × 93 ひとつの家族となるべく、東京郊外の一軒家に移り住んだ二組の親子。 澄生と真澄の兄妹に創太が弟として加わり、さらにその後、千絵が生まれる。 それは、幸せな人生作りの、完璧な再出発…
『殺戮にいたる病』 / 我孫子武丸 ★ × 83 永遠の愛をつかみたいと男は願った―。東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラーが出現した。犯人の名前は、蒲生稔!くり返される凌辱の果ての惨殺。冒頭から身も凍るラストシーンまで恐るべき殺人者の行…
普段本を読まない職場の同期に、乾くるみさんの「イニシエーション・ラブ」をお勧めしたところ、激ハマりしてくれました。 嬉しくて、思わず私もどんでん返し小説が読みたくなり、傑作の呼び声高い我孫子岳丸さん著「殺戮にいたる病」を買ってしまいました笑…
『ツナグ』 / 辻村深月 ★ × 75 一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「使者」。 突然死したアイドルが心の支えだったOL、年老いた母に癌告知出来なかった頑固な息子、親友に抱いた嫉妬心に苛まれる女子高生、失踪した婚約者を待ち続ける会社員……
『岳物語』 / 椎名誠 ★ × 90 山登りの好きな両親が山岳から岳から名付けた、シーナ家の長男・岳少年。坊主頭でプロレス技もスルドクきまり、ケンカはめっぽう強い。自分の小遣いで道具を揃え、身もココロもすっかり釣りに奪われてる元気な小学生。旅から帰っ…
『黄金を抱いて翔べ』 / 高村薫 ★ × 81 銀行本店の地下深く眠る6トンの金塊を奪取せよ。大阪の街でしたたかに生きる6人の男たちが企んだ、大胆不敵な金塊強奪計画。ハイテクを駆使した鉄壁の防御システムは、果して突破可能か?変電所が炎に包まれ、制御室は…
『工場』 / 小山田浩子 ★ × 84 不可思議な工場での日々を三人の従業員がそれぞれに語る表題作(新潮新人賞受賞)のほか、熱帯魚飼育に没頭する大金持ちの息子とその若い妻を描く「ディスカス忌」、心身の失調の末に様々な虫を幻視する女性会社員の物語「いこぼ…
先日スマホに買い換えました。
『ぼくは勉強ができない』 / 山田詠美 ★ × 95 ぼくは確かに成績が悪いよ。でも、勉強よりも素敵で大切なことがいっぱいあると思うんだ―。 17歳の時田秀美くんは、サッカー好きの高校生。勉強はできないが、女性にはよくもてる。ショット・バーで働く年上の桃…
『少女は卒業しない』 / 朝井リョウ ★ × 93 今日、わたしはさよならする。図書室の先生と。退学してしまった幼馴染と。生徒会の先輩と。部内公認で付き合ってるアイツと。放課後の音楽室と。ただひとり心許せる友達と。そして、ずっと抱えてきたこの想いと―…
『死の壁』 / 養老孟司 ★ × 90 内容紹介 ガンやSARSで騒ぐことはない。そもそも人間の死亡率は100%なのだから――。誰もが必ず通る道でありながら、目をそむけてしまう「死」の問題。死の恐怖といかに向きあうべきか。なぜ人を殺してはいけないのか。生と死の…
『卵の緒』 / 瀬尾まいこ ★ × 99 内容紹介 僕は捨て子だ。その証拠に母さんは僕にへその緒を見せてくれない。代わりに卵の殻を見せて、僕を卵で産んだなんて言う。 それでも、母さんは誰よりも僕を愛してくれる。「親子」の強く確かな絆を描く表題作。 家庭…
『一億総ツッコミ時代』 / 槙田雄司 ★ × 88 ツイッターで気に入らない発言を罵倒し、ニコ生でつまんないネタにコメントし、嫌いな芸能人のブログを炎上させる。ネットで、会話で、飲み会で、目立つ言動にはツッコミの総攻撃。自分では何もしないけれど、他人…
『うたかた/サンクチュアリ』 吉本ばなな ★ × 83 複雑な家庭環境の中、これまで会わずに育った「兄妹 」が出会った瞬間から恋をはぐくむー。互いに愛する人を失った男女が出会い、やがて何かに導かれるようにして寄り添ってゆくー。 運命的な出会いと恋、そ…
『ルック・バック・イン・アンガー』 / 樋口毅宏 ★ × 78 この鬱屈、この暴力、この叙情――これは、90年代から2000年代初頭にかけての、アダルト本出版社の物語。 (「BOOK」データベースより)
『クラウドクラスターを愛する方法』 / 窪美澄 ★ × 78 「輝くような人生の流れに乗るためのボートは、どこにあるんだろう」。誕生日を間近に控えた大晦日の朝、3年間一緒に暮らした彼が出て行った。その原因は… デビュー作で山本周五郎賞を受賞した実力派作…
『けむたい後輩』 / 柚木麻子 ★ × 82 女は、みんな“自分”が大好き。気は強いが、傷つきやすい彼女たちが欲しいのは、“自信”だった。良家の子女が集まる女子大を舞台に元・有名人の自意識過剰な先輩と世間知らずのダサい後輩が繰り広げるエゴのぶつけ合い。金…
『あの人は蜘蛛を潰せない』 / 彩瀬まる ★ × 94 私って「かわいそう」だったの? 「女による女のためのR‐ 18文学賞」受賞第一作! ずっと穏やかに暮らしてきた28歳の梨枝が、勤務先のアルバイト大学生・三葉と恋に落ちた。初めて自分で買ったカーテン、彼と食…
沼田まほかるさんの「ユリゴコロ」を読んでいて、アノニマスな手記をベースに進む興味深いミステリーだったのですが、グロテスクな描写に気分が悪くなり、1/3程で断念しました。 選ぶ本、心に響く本というのは、その時の気持ちを素直に表すんだなぁと痛感し…
『想像ラジオ』 / いとうせいこう ★ × 99 耳を澄ませば、彼らの声が聞こえるはず。ヒロシマ、ナガサキ、トウキョウ、コウベ、トウホク…。生者と死者の新たな関係を描いた世界文学の誕生。内容(「BOOK」データベースより)信じられない。これぞ「本を読む」…
『あなたの中の異常心理』 / 岡田尊司 ★ × 85 誰もが心にとらわれや不可解な衝動を抱えている。そして正常と異常の差は紙一重でしかない―。精神科医で横溝賞作家でもある著者が、正常と異常の境目に焦点をあて、現代人の心の闇を解き明かす。完璧主義、依存…
『千年の祈り』 / Yiyun Li 著 ★ × 95 素晴らしいの一言でした。 父と娘のあいだに横たわる秘密と、人生の黄昏にある男女の濁りない情愛。ミス・カサブランカとよばれる独身教師の埋めようのない心の穴。反対を押し切って結婚した従兄妹同士の、平らかではな…
先日、磯崎憲一郎さんの「終の住処」を読みました。読みやすいのでサクサク進んだものの、何を伝えようとしているのか、どこに共感すればよいのか全くわからないまま終わりました。やはり芥川賞、振れ幅が広いぜ…本を選ぶ際、やはり文学賞を取っている安心感…
『今夜、すべてのバーで』 / 中島らも ★ × 80 禁断症状と人間を描いた中島らもの傑作小説アル中患者として入院した小島容。途切れ途切れに見える幻覚、妙に覚めた日常、個性的な人々が混然一体となって彼の前を往き来する。面白くてほろ苦い傑作長編。 折し…
『何もかも憂鬱な夜に』 / 中村文則 ★ × 96 施設で育った刑務官の「僕」は、夫婦を刺殺した二十歳の未決囚・山井を担当している。一週間後に迫る控訴期限が切れれば死刑が確定するが、山井はまだ語らない何かを隠している―。どこか自分に似た山井と接する中…
『生物と無生物のあいだ』 / 福岡伸一 ★ × 92 生きているとはどういうことか―謎を解くカギはジグソーパズルにある!?分子生物学がたどりついた地平を平易に明かし、目に映る景色をガラリと変える。内容(「BOOK」データベースより)一時期話題になっていた新…
いつかどこかで書こうと思っていた、紙の書籍と電子書籍についてです。もういろんな場所でいろんな人が何度も何度も議論していると思いますが、私自身あまり迷うことなく、以下のような意見を持っております。
『ウエストウイング』 / 津村記久子 ★ × 95 レビューを書き始めて数作目にして早くも2作目(1作目はこちら)の津村作品ですが、またまた素晴らしい読書体験をさせていただいたので紹介します。「災難に直面する人々のゆるい繋がりから、静かに手わたさせる日…
『ブッダにならう 苦しまない練習』 / 小池龍之介 ★ × 95 読んだのはちょうど1年前で、けど振り返るとなんとなく影響を与えられてんだなぁ、としみじみ思う1冊です。 「不機嫌」「ゆううつ」も練習で直せる。日常生活のなかで簡単に実践できる25のシンプルな…