住んでる街が再び感染拡大しており、「まん防」というなんともキュートな措置が取られるも、街からは全く人は減っていない印象。こういうのは長引くと成功体験の積み重ねで、こないだ2時間カラオケできて何も問題なかったから今回も行けるやろ的な人間心理が働いて、同じ措置を取り続けてる限り何も改善しない気がする。
カン・ファギル『別の人』読了。『失われた賃金を求めて』に続き韓国フェミニズム本やけどこちらは小説。韓国エンタメ!て感じ。
デートDVの一部始終をネットに公開した主人公ジナが、会社や同僚から逆に「目立ちたがり屋」的な目を向けられ、過去の自分に遡っていく話。学生時代の友人との記憶を辿っていくうち、他者からみた自分や、自分が思っていた自分との齟齬に気付いてく過程は、サスペンスあり愛ありでこれぞ韓国エンタメ満載で面白かった。ただ読んでてどうしても違和感拭えんかったのは、30歳くらいの登場人物たちが皆、十代の頃の記憶をひたすらに鮮明に覚えて過ぎなトコ。もちろん辛い記憶を忘れてないということやろけど、20年近く前の話を蒸し返して「あの時アナタはああだった、、」と熱く議論してるシーンは若干ソワソワした笑。
10代の頃、親が地域から嫌われてることで子どもも自ずと嫌われ、人間関係がうまくいかなかったスジンのエピソードはかなり心苦しかった。生まれ変わりたい一心で学問に恋愛に励み、大学でレイプされ、それでもなお見返す一心で生きていく強さが、最後にはキチンと報われたのが若い著者なりの救いで嬉しかった(どうでもいいが、背表紙の写真に映る著者が美人すぎる)。購入者の70%が20〜40代の女性らしいが、性別関係なく読むべき本でした。