★ × 84
三代目乙姫の少女・玉ちゃんに連れられて、たどり着いた場所は海の底! 異界の遊郭“龍宮殿”に迷い込んだ兄弟が、いま激しい運命の渦に飲み込まれていく……。
年度末の忙しさに追われ、かなり更新が空いてしまいました。
実際読書量も減少し、、いやぁやっぱり本を読むことは、生活や心に余裕がないとなかなかできない、体力の要ることだなぁとつくづく反省です。
リハビリを兼ねてまずは漫画から。
本作は全3巻。
出だしで感じたのが「トーンも使わず細い線で丁寧に描く人だなぁ」というのと「独特やなぁ」の2つの感情。そしてそれは最後まで途切れず持った感情でした。
まず前者。読む前からTwitterの事件で完全にバイアスかかってまして、てっきりもっと乱暴な絵かと思ってましたが、化け物は細いし女の子は可愛いしで、思っていたよりずっと読みやすかったです。
ただしそれはあくまで絵の観点で、後者の「独特さ」はストーリーにあり。
主人公2人(兄と坊)は道端で出会った玉ちゃんという少女に連れられ、海の底の龍宮城へ辿り着く。
そこは遊郭であり、男どもに孕まされた女性は子を産むも、もし男の子が生まれた場合"龍"のエネルギーとして喰われてしまう。
そんな中、兄と坊は顔面が魚の「博」という男の子に出会い、龍宮城の秘密を徐々に知ることとなる。
最後はきゅんとする物悲しい恋愛模様となる、、という流れですが、終始心にあったのは「どこまでが本気なの?」という思い笑
いや勿論全て本気で然るべきなのですが、ストーリーの中でいきなりギャグとしか思えない設定や台詞が飛び出し、けれど誰からのツッコミが入ることもなく淡々と進んでいくから、あぁ本気なのか‥と自分を納得させながら読み進めざるをえない。
いや、そこまでは言い過ぎかもしれませんが笑、
とにかく「クセがすごい!」てこのことかと納得してしまうようなユニークさで、けれど絵は前述の通り丁寧に可愛らしく描かれているので、そのアンバランスさに中毒性が潜んでいるような作品でした。