今週も娘の体調不良でわれら共働き家族の試練やったけど、今朝からまた元気に保育園に通われ始めた。夜中に咳で苦しそうな娘を見ると胸がキュッと痛み、朝パンとブドウを食べながらオリジナル言語を喋ってる娘を見ると胸がホッと温まるあたり、俺も人の子だったんだと実感する。
ずっと読みたかった漢a.k.a GAMIの『ヒップホップ・ドリーム』を読み切った。もっと早くに読んでおけばよかった、、最近読んだ自伝で一番面白かった。紙か電子かで禿げるほど迷ったけど紙で買って良かった。
そもそもフリースタイルダンジョンというMCバトルの番組でちゃんと漢について知って、アングラやリアルという所謂世間一般のラッパーのイメージを体現してるような人やなぁと思って、
ただ俺は昔「きっくざ、かんくるぅぅ〜!」とか言ってたアングラとは真逆の世界で蔓延ってたフェイク野郎やから、漢のことを深く知ろうとは特に思わず、
けど去年の戦極mcバトルのmu-ton戦(漢 a.k.a. GAMI vs mu-ton/戦極MCBATTLE第18章 BEST BOUT 1(2018.8.11) - YouTube )があまりにカッコよくて定期的に見てたんで、般若の自伝も読んだ今漢さんを避けては通れんだろう!と読みました。
思ってたよりずっとさらけ出してて、ふんわりとしか知らんかった新宿スタイルをようやく知ることができた。たとえmcバトルでも言ったことは1週間以内に実現しなあかんてゆうエグい制約設けて、「刺す」て言ったから後日相手のケツをマジで刺したってゆう事実、バトルやリリックでは聞いたことあったけど実際に自伝でフツーに書かれるとかなり恐ろしかった。あとlibraというレーベルとの確執も、インタビュー集とかでは軽く読んだことあったけど、本書ではパワハラや未払い問題が実名とともに淡々と書かれてて、この漢さんの「淡々と」てのが実にリアルで、怖いながらもページを捲る手が止まらんかった(これを知った今なら、UMBチャンプのmu-tonがKOKに出たことの驚きが分かる)。フリースタイルダンジョンの影響でやたらめったらmcバトルをネットで観るようになって、わりかし若いラッパーとかもカッコいいなぁと思う時もあったけど、読み終わって漢さんの尺度で改めて思い返すと、彼らがリアルを謳わない虚構のラッパーに見えてしまうくらいの説得力が本書にはある。本作を読むとラッパーになろうと思う人、逆に減るんちゃうやろか笑 けどlibraとの決別を経て、銀行の窓口から白い目で見られながらも9sariグループを立ち上げて成功していく終盤あたりは、ラッパーがどうとか関係なく1人の男のノンフィクションとしてとても勇気を貰えたし泣きそうにすらなった。文体もユーモアで決して感情的にならず、知的な漢さんが要所要所で滲み出てて、文才もあるってところにますますハマってしまった。音源もちゃんと聴こうと思ってSpotify聴き漁ってて、『MURDARATION』というアルバムのアカペラバージョンがあまりにカッコよくて通勤と昼休みのお供になってる。素晴らしい作品でした、俺もビーフをガッツリ食います!
あとほぼ忘れかけてたけど『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』という、もはやギャグかと思うほど残念な邦題の映画を観たけど、内容は決してギャグでなく良かった。
妻を亡くした旦那の破壊と再生の物語。終盤まで『永い言い訳』に設定がクリソツで、途中から主人公がもっくんに見えてたけど、出てくる人物みんなジャンキーなのは洋画ならではやった。個人的には妻が死んだ悲しみのシーンではなく、妻が別の男と妊娠してたことと、友人の息子がボコボコにやられて病院送りにされたところの崩壊の描き方が半端なくてくらった。作品を通じて、ポッカリ穴の開いた心を埋めるでなく、中途半端に欠けたその心を一度思うがまま全壊させて、そのあとゆっくり新しい自分になりましょう、そんな具合のメッセージを感じたけどもっと深い作品なんかな。