『プロジェクト・ヘイル・メアリー』下巻読了。2週間、宇宙の海を泳ぎ続けました、、、
『火星の人』の著者、アンディ・ウィアーの3作目。フォローしてる本のインフルエンサーが恐ろしくPUSHしてたので読み始めたが、約2週間止まることなく上下読み切った。素晴らしい。作中のノリを借りるなら「ナイス!ナイス!ナイス!」という感じ。
本作も『火星の人』同様、宇宙で1人。とにかく1人。ただ面白いポイントとして、まず冒頭、主人公は何故今自分がここにいるのか分からない設定で始まり、そこから徐々に自身の過去とココにいる理由を紐解いてく一種のミステリーものになってるとこ。そしてそこから上巻終盤の最大の山場、「実は1人ではない」という展開になるとこあたりはもう、ページ止まらん!(ネタバレなしです)
そして文体が何とも軽妙なのもページが進み続ける要因。『火星の人』が原作の映画『オデッセイ』も、火星で1人という途方もない孤独にも関わらず、マッドデイモン演じる主人公が陽気で、それに伴い挿入歌も陽気という何とも不思議な空気感やったけど、あれはアンディ・ウィアーの文体を見事に映像化してたんやなと今更気付いた。本作も果てしなく遠い宇宙にポツンと1人やし、「実は1人ではない」とわかってからもずっと死と隣り合わせやねんけど、登場人物はずっと軽妙。笑えるし、泣けるし、ハラハラするという、こんなにもサイエンスしながら同時にこんなにもエンターテイメントしてる点が信じられないです。
光よりも速い速さで飛んでも地球まで5年かかる、とかいう規模の世界をぶっとい上下巻読み続けてると、今自分の目の前にある悩みや不安のちっぽけさたるや、、!といい意味でどうでもよくなる。『インターステラー』観た時も思ったけど、いいSF作品を読むとこんな風に、違う世界にぶっ飛びながらも目の前の日常にフィードバックされたりするから不思議。最近読んだエンタメ作品でダントツでした、皆様ぜひ時間を作って宇宙の旅へ!