保育園や会社でもコロナ陽性報告がにわかに上がるようになり、何度目かの波に慣れつつある自分を恐ろしく感じるようにもなり、
けど自衛しながら淡々と生きていくことが大事だと思い続け、昼はフレッシュネスバーガーを食べて本棚を注文しよう!といった日々です。
武井麻子さん『思いやる心は傷つきやすい』読了。
副題が『パンデミックの中の感情労働』、帯が「コロナ禍の医療現場で働く人のメンタルヘルスは、いかにして守れるか?」ということで、前半は国内外問わず2020年から続くパンデミック下で医療従事者が如何に苦しい立場に置かれているかということが描写されている。特に第2章、危機にさらされた時に人は逆に結束し、イギリスでは医療の道に進む若者がbeforeコロナよりも増加したという内容はとても興味深かった。めちゃ古い記憶で朧げやけど昔読んだ『災害ユートピア』も同じようなことが書かれていた。例えば会社で地震が起こった時に、恐怖と同時に「人と繋がれるきっかけ」を得た謎のアガる感じもあって、次元は低けれど似たものなのかとふと思った。
あと看護師が感情労働であることの描写も良かった。この数年間でエッセンシャルワーカーが如何にエッセンシャルで尊い存在かが十二分に示され続けてるけど、賃金体制など未だ制度が間に合ってない感があるので、早く世の中のブルシットジョブの余剰分を回せるといい。
ただ本書自体は後半はトラウマやレジリエンス(うまく適応する能力のことらしい)など、著者の専門である精神医学の話が続いてあまりのめり込めず。