アニー・エルノー著『嫉妬/事件』読了。
WOMEN'S READING MARCHで知った1冊、著者アニーさん、ノーベル文学賞受賞者やったが、海外文学に疎い俺、当然知らず。2編入った短編集で、
『嫉妬』は別れた男が他の女と暮らすと知った女性が、インターネットを使って使って狂ったように特定しようとする話、
『事件』は中絶が違法だった1963年のフランスで、妊娠してしまったものの、赤ん坊を堕ろして学業を続けたい女子大生の話。
いずれもキョーレツ。小説、と書いたがフィクションともノンフィクションともつかない、「自分語り」風文体で、最初何を読まされてるんだ?と不思議な感覚に落ちた。これはアニーさん原文の妙+日本語訳の妙が為せる技やと思うが、ハマると抜け出せないような見事な表現(そう思うと、ハマるまで時間がかかったのでもっと長編でもよかったように思う)。
特に『事件』。闇で行われていた堕胎の実態がまざまざと描かれており、しかもそれが一人称視点での痛みや恐怖とかでなく、第三者視点で割と淡々めに描写してるのがより不安感を掻き立てられる。トイレで堕ろすシーン、及び出血多量で運ばれるシーンは特にキツくて夜読めないレベル。映像化されてるらしいが果たして、、気になるがこれも朝観よう笑。