『民主主義は止まらない』 / SEALDs
★ × 86
内容(「BOOK」データベースより)
対談×小熊英二、対談×内田樹。国会前デモから選挙へ向かうSEALDsの現在。そして今夏、解散…!?この国は変えられる。
『民主主義ってなんだ?』を読まずにこっちを読んでしまいました。
私は自分でも驚くほど政治事情に興味がなく、家族ができたにも関わらず未だに日本が将来どうなろうがそこまで自分の肌として実感できない、本当にバカな30歳になろうとしています。
なので今年の夏に彗星の如く現れた、私よりも10歳も若い大学生たちがSEALDsとして、メディアに出まくったり梅田のヨドバシで演説したりするのを見て、主張してることの正当性は私には判断できないので置いといて、こんなにも人を集めることができて、日本の未来を考えていることに心から感動しました(と同時に自分の単細胞っぷりに落胆しました)。
本作では内田樹さんや小熊英二さんと学生が対談していますが、決して難しい政治の話でなく、平易な言葉で今彼らが何に対して不自然さを抱いているかといったことが、先生と生徒が煮詰め合うような形式で書かれています。
だからキャッチーなタイトルに騙された難解な政治本よりもよっぽど読みやすく、また、あれほどフィーチャーされたSEALDsとは言え一人一人は学生で、思っていることも話す内容もすごく素直で丁寧で、政治家は頭がいいからこっちも頭良くいかなきゃというプレッシャーなんて要らないんだということを認識させてくれます。
テレビでセンセーショナルに扱われていた彼らも、しっかりと文章を読んでいると、いい意味で単なる1人の学生なんだなぁと感じる。
また、「本当に止める」といったキャッチコピーにより、SEALDsって目がちょっとイッちゃってる危ない組織なんかとも捉えられがちですが、彼らのやりたかったのは結局、彼ら以外の人に政治に興味を持たせることだったのかなぁと思いました。
例えばおじさんやおばさんがテレビを見て
「デモでゲストを招いて、単にお祭り騒ぎしたいだけやないか」
と訝しむ。
SEALDsは嫌われる。
けど、おじさんおばさんは、何も起こらず淡々と安保法案が通るよりも、SEALDsが取り上げられることで、何が今問題になっているかを考えさせられる時間を与えられる。
そうやって一人一人が政治に割く時間を設けるために嫌われ役を買って出ている、という風に考えると、大学生がそこまでしていたことは本当に素晴らしいです。
「SEALDsはこれからどうするんですか」と聞かれたときも、「じゃああなたはどうするんですか」と聞き返していました。
ホントこれだよなぁ、、
SEALDsがすべて担って解決するんだじゃなくてあくまで問題提起してくれただけで、考えるのは自分のアタマ(byちきりん)なので、せめてもうちょっと政治カテゴリのニュースも意識的に追っていこうとここに誓います。覚えとけよ未来の自分!