昨日から盆休み。前半はダラダラで後半は旅行なんで、ダラダラ初日にしてずっと観たかった『ルーム』を観た。期待以上!ただただ良かった、、
観終わったあと知ったことやけど、なんと実話ベースやったらしい。ベースは『フリッツル事件【娘を24年間監禁、子供7人産ませたヨーゼフ・フリッツル】 - NAVER まとめ』とゆう、24年間実娘を監禁してた父親の話らしいけど、映画は見ず知らずの男に誘拐されたあと7年間監禁された女性(ジョイ)が主人公。途中子どももでき、映画では息子(ジャック)が5歳になった時からスタートする。ジャックは監禁されてる身なので当然ながら外の世界を知らず、落ち葉は赤色とか、自分のような顔立ちをした人間が他にもたくさんいることを知らずに、ただただジョイと狭い納屋で生きてきた。映画の転換点はジャックが死んだふりをし、誘拐犯に連れられて外に出て助けを求めるというシーン。これを始まって40分くらいで迎えるんやけど、おいおいこの映画ピーク早すぎるやろってくらい、実に見事に開始40分で心持ってかれて心臓バックバク。ジャンルでいうとここまではスリラー的で、それだけでもう結構な満足度やった。
けどこの映画のすごいのは、そこから後半1時間強は「5年間監禁され続け、外の世界を知らなかったジャック」と「7年間監禁され続け、誘拐犯の子を産んだジョイ」が苦悩するシーンが延々と続き、まるで2本の映画を観たかのようにテーマがガラッと変わるところ。ジョイは生きて帰れたものの、誘拐犯の子を産んだという事実、元には戻れないという事実に苦悩し、やがて自殺を図るようになる。これは大人の弱さとかじゃなくて、どんな事件でも終われば解決じゃなく、そのあともひたすら続く生活、そこにこそ苦悩があるってことを見事に表現してて、ああここに持ってくるために前半40分で監禁シーンを終えたのかって思うほど。
んで一方のジャック、彼は初めて階段に登ったりパンケーキを食べたりするわけやけど、それらシーンが彼の視点のカメラから撮られてて、ジャックが一つ一つに戸惑いながらも世界を知ってく過程がこれまた見事に表現されてた。この映画を観てると、如何に子どもが強く、受け入れ、進んでるかってことをまざまざと見せつけられ、思わず娘の顔を見てしまった。けどさっき書いたけど決して大人が弱いってことじゃない。大人の繊細さと子どもの鈍感さの対比みたいなのはどうしてもあるけど、そこに焦点を当てすぎずにどっちもの良さを引き立てるような作りになってて素晴らしかった。
2時間の使い方が見事すぎて、3時間くらい観た気になった(意味不明)。ここ一番のヒット!!映画もっと観よう。