『我は、おばさん』読了。
初めて読んだ岡田育さん。
「日本に生きる大人の女性の呪いを解き放つ! 文学・エンタメ作品を通じてポジティブに「おばさん」を再定義するカルチャーエッセイ」とのことで軽く読み始めたら、
その「文学・エンタメ作品を通じて」考察するパワーがとんでもなくて驚いた。最後の対談のジェーンスーさんも言ってたが、考察がもはや論文。笑 キムジヨンやマッドマックス、幽遊白書といった異ジャンルのエンタメをこれでもかってくらい取り入れ、各作品における「おばさん」の位置付けについて軽快な文章で考察しまくってる。
んで著者岡田育さんのスタンスは一言で言うと「おばさん、万歳」。笛美さんの『ぜんぶ運命だったんかい』でもほぼ同じことが描かれてたが、ここニッポンではあまりに地位の低いおばさんという存在。
ここは、人前に出る女性を永遠に未熟な女性として愛でたがる国。「美少女」の基準値からどれだけ近いか遠いかでオンナの時価総額をジャッジして勝手に消費する国なのだ
けどおばさんにだってやれることはたくさんあるって主張。例えば母娘でもなく「おばさん」という立ち位置から血縁に悩む姪に向けたおばさんパワーはこちら。
縦に繋がった母娘の関係性から遊離し、その血の轍を逃れるのに加勢してやる存在。おばさんは、姪に鋭く光るナイフを手渡して親子の絆を斜めに斬り付ける、「非・おかあさん」でもあるのだ。
これ、人によって変わる「おばさん」の定義に苦しむ該当世代の方は良い意味でブッ刺さるんちゃうかと思う。大好きな本屋1003の店長はインスタのストーリーで本書に付箋貼りまくってる写真を上げてた。俺にはちょっと分からんとこが多かったのが正直なトコやけど、願わくば「我は、おじさん。」が岡田育さんバリのソリッドな文章でどなたか出していただくことを願う。。
これにて一旦、今年に入って読みまくってきたフェミニズム関連本読むのをペンド!