サリー・ルーニー著『カンバセーションズ・ウィズ・フレンズ』読了。
アイルランド出身の著者。文の7割余りが鉤括弧のない会話から構成されてる独特のスタイルで、発声した内容なのか心のつぶやきなのかところどころ判断付かず若干読みにくかったが、久々に読んだ恋愛小説、かなり引き込まれた。
話の中心は、主人公フランシスと、ニックという男性との不倫。なんかクセになったのは、文体からくるものなのか、物語自体は割と静謐な空気を纏ってるハズやよに、展開自体を追うと、ニックの妻に不倫がバレたり、フランシスの友人ボビーとのこじれ、フランシスの病気、、と、「ん?韓国ドラマ?」かと後から思うほどかなりジェットコースターしてる点。オリジナルドラマとかでの映像化もしやすいやろな、というか感覚的には、映像作品の原稿を読んでいるようやった。
本筋ではないけどフランシスは貧困家庭、ニックは上流階級という貧富差がある構図も興味深かった。かなり終盤に、有り金が底をついたフランシスに対しニックが金銭面の援助を提案する場面があり、そこは本書の中で明示的じゃないものの、フランシスが纏う不安は結局そこから来てるんじゃないかとこのあたりを読んで感じた。多分俺がわからないところで、小説の中の要所要所で社会性がちりばめられてるのは間違いないので、解説記事とか読んでもう少し理解を深めよう、、