『ばにらさま』 / 山本文緒
山本文緒さん遺作。個人的には『自転しながら公転する』以来。
装丁に騙されること勿れ、6編ともどれも後味の良くない、けれど読まされてしまう短編。特に『わたしは大丈夫』『菓子苑』は気持ち悪さに引き込まれてしまった。
『プラナリア』『自転〜』くらいしか読んでない俺が「これぞ山本文緒、、!」「さすが遺作、、!」とか吐くことは出来ないが、誰かの文章に似てるなぁ、、という感覚はあった。誰やろこの感じ。。本谷有希子さんや綿矢りささん、金原ひとみさん、、「ひりついた空気の流れる女性視点の小説」という括りでは何人か思いつくが、どれも微妙に合致はしない感じ。世代の違いやろか?本作で言うと、社会的弱者である女性の逡巡や苦味みたいなものの表し方がめちゃ上手かった。好みは分かれるやろけど個人的には学生時代に多く読んだジャンルなので久々感あって楽しめました。