『逃亡するガール』 / 山内マリコ
銀杏BOYZのジャケのような装丁に惹かれて購入、めっちゃ久々の山内マリコさん。出版社を見ると「U-NEXTオリジナル書籍」、、?なんじゃそりゃ、全く知らんかった。
著者の地元・富山を正面から等身大に描いた、正に『ここは退屈迎えに来て』で吹いた風を一章目から感じるような初期山内マリコ感がある小説。やぱこういう女性模様を描くん上手すぎる。且つ今回は2人の女子高生というシスターフッドものであるところもより爽快感をプラスアルファしてる。近年の金原ひとみさんが描くスッパスパの女性キャラを彷彿とさせ、けれど彼女たちの生きる世界はあくまで富山駅周辺というのがとっても良い。
、、しかもしかも本作はそれだけで終わらず、短い文量ながらも終盤はまさかのガザの問題、そして能登半島地震へと彼女たちの思考が飛躍していく。『エトセトラ』の田嶋陽子特集を読んだ時、山内マリコさんがフェミニストであることを初めて知った(柚木麻子さんも)。実によくない感覚やけど、それを知ってから少し作品から離れてしまった自分がいる。社会問題を小説に混ぜること、それに意味を持たせてくることに少し胸焼けがするというか、エンタメはエンタメで突っ切って欲しいという感覚がどうしてもある(故に、そこを感じさせない金原ひとみさんや今村夏子さんはホントにすごい)。
けれど本作を読んで反省しました。別に本作は戦争や地震によって小説本筋が霞むことは無い、むしろ深みを増す。発言すること自体勇気のいることな世の中で、こういった小説家がいることにホント感謝です。
