プライムで映画の予告を観て、なんて面白そうなんだと再生ボタン押下直前まで至ったが、いやこれ映像観たら小説読めんくなるパターンッ!とギリ留まり、先に小説を読みました。
ヤクザ小説と言いつつも、思ってたより何倍も楽しめたミステリー小説でした。
舞台は昭和63年の広島。捜査二課に配属された新人・日岡、そしてヤクザとツーツーで破天荒でバリバリの広島弁で浮世離れしたハードボイルド上司・大上という、もうテンプレートもテンプレートのドの付くエンタメ小説で、最初は正直「これは読み切れるか、、?」と少々不安。モーレツサラリーマンを良しとする価値観と、女性を下に見る男性優位社会が全面に溢れ出る世界がちょっと厳しい、、と中盤まで感じてたものの、
中盤、大上がとあるヤクザをとある手法で懲らしめるシーンあたりから一気にヒートアップし、それ以降は世界観も気にならず駆け抜けました。
ネタバレ満載で行くが、終盤に大上が(きっちり?)死んでしまうという設定はマジでたまげた。が、本作が人気を博す理由が正にココに詰まっとると感じた。その後日岡が大上の意志を継ぐ、というのもともすればトゥーマッチな設定やけど、結果的に続編へと、そして映像化においても同じく続編があり、日岡演じる松坂桃李が予告を観る限り見事な演技をしていて、初めから著者はこの展開を想定してたんちゃうかと思うくらい、エンタメの王道を突っ切ってる。
日岡がスパイであり、章ごとに出てきていた黒塗りかれた日記の謎も見事に回収されており、(単に最近読んだというバイアスやけど)横山秀夫さんばりの展開も痺れた。
しかも小説を読んだ今、映画は別にええかとはならず、逆にこの大上をあの役所広司がどう演じたかがめちゃ気になってる。来週観ますっ!