『これはわたしの物語』 / 田尻久子
熊本にあるめちゃめちゃ行ってみたい本屋「橙書店」の店主であり、『みぎわに立って』『橙が実るまで』などを著作に持つ田尻久子さんが著者。
めっっちゃ良かった、、、、読後感素晴らしい。エッセイと書評が混ざった作品となっており、こういった構成の本は大概どっちかの章がおもんなかったりするけど、とにかく文章が素敵すぎて、本作はそれぞれ楽しめた。
まず何よりも、プロローグでガッと掴まれた。本を読むことについて、こんなにも心にグッと来た文章はこれまでなかなかなかったように思う。
本を読むと想像力が鍛えられる。想像力が増す、ということは人の痛みに敏感になるということだ。人の痛みに気づきやすい人は心配事が増える。
それでも、人の痛みを見過ごすよりはずっといいと思ってくださる方は、バトンを受け取ってくださると嬉しいです。
本屋の店主という立場、大量の本の背表紙を毎日毎日数千冊見てきた立場で「なぜ今、本を読むのか?」という問いについて考えてきた著者だからこそ出せる回答。毎日暇さえあれば学習漫画を読み漁ってる小1の上の子を含め、紙の本が好きな自分たち家族を芯から肯定してくれた感じがして、読み始めていきなり涙出そうになった。
選書も、2/3くらいは読んだことない本ばかりで、レビューが上手いのでひたすら積みまくった笑。『生皮』『ヘヴィ』『ぼくは川のように話す』『あとは切手を、1枚貼るだけ』『波』『アメリカ死にかけ物語』『諦念後』『じゃむパンの日』あたり、今日早速本屋やメルカリで漁りました。今日から夏休み、涼しい部屋に本持ち込んで引き篭もります!