『USO VOL.4』
自由港書店店主の旦さんがエッセイを寄稿されてるとのことで購入。『USO』自体は何冊か発売されてるのは本屋で見て知ってたが読んだのは初。様々な物書きの方が寄せたエッセイや小説を集めた小規模個人出版的なイメージを持ってたが、旦さん以外も今日マチコさんや辻山良雄さん、佐久間裕美子さんなど錚々たるメンツで、メジャー出版ばりの豪華さでありつつ中身はミニマルなものが多くて良いコンセプトだなと感じた。
ガツンとくらったのはやはり旦さんの自伝エッセイ。トークショーを通じて、大手IT企業取締役から一転して本屋の店主とキャリアチェンジを遂げたことは知ってたが、
キャリアチェンジのキッカケとなった妻との離婚やアルコール依存、京都での大工修行などはかなり赤裸々に細部まで描かれていて、ご本人の物腰の柔らかさからは想像に難い過去があることを知った。
梅田の地下で酔っ払ったまま元妻に電話し、「あなたはあの頃から何も変わってない」と一刀両断され大泣きする描写とか、マジでドラマ。いや、他者視点やと「マジでドラマ」とかって身勝手に評せるけど、ご本人にとっては出来るなら掘り起こしたくない長い記憶であるはずやけど、こうやって文字に起こして校正して出版してトークショーしてっていう、言うなれば何度も自傷行為を繰り返してるといってもいい。
けど植本一子さんの日記にも通ずるように、だからこそそのヒトの本質が文から現れてるし、それに救われるヒトがいるんやと思う。
自由港書店は2回しか行ったことがないが、低い位置にあり子ども目線の絵本コーナーが、実は旦さんが意図せず今の姿になったという経緯も面白い。書店も店主も魅力を再確認できた良い本でした、これからもっと頻度上げて行きたい(すみません他の執筆者の方々についてNOレビューで、、雑ですが全体通じてすごく良かったです!