年度変わって気持ち新たに頑張ってます。下の子は3歳児クラスに爆速で馴染んでいった。適応能力に驚き。上の子はドラえもんの映画に激ハマり、たまに一緒に観るが教養映画としてのクオリティも非常に高いことを今更知り感動。
『死んでから俺にはいろんなことがあった』 / リカルド・アドルフォ
書肆侃侃房という出版社から出ている、タイトルと装丁が気になって買った小説。移民の主人公家族が乗っていた地下鉄が故障で止まってしまい、その後言葉のわからない移民先でなんとか家に帰ろうとする、という不思議な物語。
いや、ほんと不思議。章立てもされてて、章ごとの終わりは次の章へのつながりを匂わすエンタメ性もきちんと取り入れられてるが、ほんと不思議(3回目)。主人公は正直言ってダメ男で、カルラという妻よりも優位に立とうとするも、やる事なす事全て裏目に出て上手くいかず、トラブルを解決しようと動いて新たなトラブルへ向かう、という繰り返しを読者は見させられている。
けれどその不思議さは何となく軽妙で、「不法滞在している移民が生きることの難しさ」という重いテーマを孕みつつも、謎に笑える作りになっているのが素晴らしい。比較対象として適切でないかもやけど、ムスリムの家族を描いた『帰りたい』の、ユーモアに振った社会派作品という感覚。重いテーマをサラッと読めるという点で見事な作りになってる小説やった。