先週末は大雨により、緊急速報出たり保育園休みになったり会社から帰宅命令出たり忙しかった。ハザードマップ見ると保育園もウチも土砂災害警戒区域もガッツリ入ってて、速報来たときは逃げた方がいいか迷った。ここ数週間で地震に大雨に、関西に住んでると普段あんまよぎらない災害への意識を十分に思い知らされた。あと今テレビないが、家族や地方の友達から「テレビで見たけど神戸やばない?」と何回か連絡きて、やっぱテレビの視覚効果ていい意味でも悪い意味でも強力やなと実感。オウムのニュースも新聞で文字と静止画で知るだけで相当恐怖感じたのに映像は尚更なんやろな。
引きこもりやったので本に映画に進んだ。公開中の『万引き家族』がめちゃめちゃ良かった。(映画のリンクがアマゾンでなかったので下のは小説版)
是枝作品観るのは久しぶり。テーマ的には貧困だったり血が繋がってない家族だったり時代にマッチしたアンチテーゼで、時間を置かずに今まさに観るべきという意味で映画館で観れてホントに良かった。セリフを全部覚えてるわけちゃうけど安藤サクラさんの言動行動が個人的にはこの映画の軸やと感じた。虐待を受けた娘を抱いて「好きだから叩くなんてことはない」と言うシーン、歩道橋で樹木希林に「血が繋がってないから強い絆もある」と言うシーン、逮捕後の尋問で池脇千鶴に「捨てたんじゃない、拾ったんですよ」と言うシーン、全部が全部、是枝さんの意図した展開の上に安藤サクラさんから滲み出る濃い〜〜味みたいなのが思いっきり乗っててサイコーやった。
勿論メンバーもいつも通り豪華でなんとも安心して観れた。リリーさんの無骨っぷりももはや名人芸やし、今更ながらマイブーム中の松岡茉優の体当たりっぷりには思わず勃ちそうになった(失礼)。
ハイライトは、ありきたりやろけどやっぱり池脇千鶴と安藤サクラの会話シーン。池脇千鶴が、誘拐まがいの罪を犯した安藤サクラに、
「子が生まれなくて羨ましかったんでしょ?生まなきゃ母親になれないでしょ?子どもに何て呼ばれてたの?」
と問うんやけど、これに対して安藤サクラはほぼ何も答えられない。なんやけど、個人的には安藤サクラの主張がないとかじゃなくて、単に安藤サクラには主張するだけの表現能力が無いという設定なだけであって、ここで安藤サクラが「答えない」という数分間が正に、池脇千鶴のクエスチョン全てを否定してる構図になってると感じた。話変わるけど奥さんが最近、神戸に赤ちゃんポストを設営したいという方のコントリビューターになった。いろいろ調べてるのを聞いてると、「実親神話」みたいのが未だ蔓延った制度になってるのは先進国で日本くらいで、海外はとっくに血の繋がりとは別のレイヤで子を育てる文化が浸透してるらしい。それを知ってたから余計に先のシーンの「主張しない主張」はめちゃめちゃ刺さった。勿論、これは安藤サクラだから尚更パンチ力が強かったのもある。
流れる2時間で捉えられんかったメッセージもめちゃめちゃあるやろうから是非原作を読みたい。