『家父長制はいらない』 / タバブックス
タバブックスから出ている『仕事文脈』の過去シリーズから、家父長制について書かれた文章をまとめた1冊。近年、社会系の本を読むと「結局のところ、問題の根本は家父長制」という結論に至るものばかりで、且つ家父長制は日々生きてて公私問わず頻繁に感じる場面が多いので、このタイミングで読めてよかった。こう見ると『仕事文脈』は一貫して世の中の違和感を訴え続けているとても重要な雑誌、無くしちゃいけない、、!
最も良かった、というか刺さりすぎて心苦しかったのは清田隆之さんの寄稿。「一生懸命家事/育児はしているが、時折仕事の都合で妻にフリーライドしている夫」像をバッサリ切ってて、良い意味でめっっちゃ居心地悪かった。会社あるいは社会の構造がそうなってるから仕方ない、で思考停止している人が大半で、そこから動かないことが良しとされ続けている。
身近な関係性の中でできることを頑張りつつ、問題の是正を求めて政治や会社に対しても声を上げていく。
声を上げることが難しいと感じるのは、「声を上げることが難しいと感じてる」からであり、ブツクサ言わず声を上げろ!!!!と頬叩かれた感覚。いやーーもうホンマそれ!!
あとはダイバーシティを謳うシルバニアファミリーの新商品が、異性の両親に子どもがいて同一種族、お母さんはワンピースにエプロン、お父さんはズボンを着ているという矛盾を淡々と指摘してる方のエッセイも面白かった。『家父長制を削りとれ』の如く、世の中にこんなにも当たり前に溢れていることに敏感でならないといけない。
P. S. ふえみさんのパンチライン。
結婚しないでも幸せに生きてることが私なりの家父長制への抵抗です。