2ヶ月の育児休業を経て、今週からフルタイム復帰した。疲れた、、始まってしまえば割とスッと戻ってる感覚やったが、金曜の昼くらいからグググッと疲れが襲う感じがして、土曜の朝はかなり体が重かった。
出社もした。電車に乗って最寄駅以外に行くこと自体久々で緊張したが、会社に着くとフツーに人がうじゃうじゃいてちょっとクラッとした。マジで2ヶ月引きこもってたし、テレビもないし、漂流教室ばりに世界から切り離されてたんで、実はもう街にはほとんど人が出歩いんてないんちゃうかと錯覚に陥ってたけど、電車も会社も何も変わってなかった。その状態にも結構疲労感溜まった。
育児休業で学んだのは、やるときはやって休むときは休んだほうがいいということと、本は読んだ方がいい、という当たり前のこと。休業前は、特に平日は基本的に仕事のこと考えてて、休み時間や通勤中も、何か進めといた方がいいなと心の片隅に常にある状態やったが、それは健全ではない。ということで昼休みも通勤中も仕事外に頭を飛ばそうと意識づけた。
んでその時一番合ってるのがやはり読書。スマホやラジオはどうしても受動的で、行為中に没入できず邪念が入り込みやすかった。乱暴気味にでも頭を活字に切り替えてしまえば、ジワジワっと体がオフラインモードにアジャストしてく感があって、これはいいなと思った。つーか昔はフツーにやってたルーチンなんで、最近がちょっとのめり込みすぎやった感がある。休業とって立ち止まれて良かった。
読んだ本。レビューがかなり面倒くさくなってきたから、印象的な一節があればTwitterのスレでスタックしてくようにしたら、これが中々ラク。作家本人にリツされる思わぬアクシデントも少なくなく、しばらく続ける。今週読んだのは『大阪』と『ざらざらをさわる』。いずれも素晴らしく良かった。
特に『大阪』。岸政彦さんと柴崎友香さんの共著エッセイで、いずれも大阪で過ごした日々について振り返るものやけど、岸さんパートは1つのテーマに沿って描いていて、柴崎さんは徒然なるままに描いてるという、ちょっと違うスタンス。個人的に、通ってた高校や今の会社近辺の据えた感じの情景が出てくるのがもうたまらなく酸っぱくてたまらんかった。表現としては特に岸さんがホント素晴らしい。普段何気なく生きてる地について、こんなにも情緒的に、愛を持って描けることに最大のリスペクト!読んでる最中ずっと、自分が住んでる土地についても考えさせられた。
『ざらざらをさわる』、一つ年上のイラストレーター、三好愛さんのエッセイ。どこかの本屋の2020ベストに入ってたから読んだ。些細なトピックから、深い深い己の哲学へ落とし込む、それが決して難解な言葉でないところが素晴らしくうまかった。東日本大震災の時にTwitterを眺めていたシーンの描き方は見事!ここに書くのは野暮なんで、是非読んでください。