田房永子さん『大黒柱妻の日常』読了、、、刺さる描写のオンパレード、電車で胃が痛くなった。子どもいる家庭は当然、共働きDINKS世帯だってぶっ刺さって歩けないんじゃないだろうか、そんな感じ。少なくとも俺は読み終わったあと仕事なんてしてられんとゆう気持ちになった。
数年間のワンオペ育児で精神疲弊し切った著者が、夫より稼ぎを得ることで立場を逆転させ、平日夜の育児を旦那に任せ、バリバリ働く中で葛藤していく漫画エッセイ。もともと夫がバリバリ働いてた立場で、それを40歳超えて逆転させてることで、2人ともいずれの立場も理解してるからこそ感じる苦しみが描写されてるとこがめっちゃおもろかった。
例えばワンオペ時代、すべての育児家事を終わらせたあと、家の電気を全て消すことで、帰ってくる夫に暗黙の怒りをぶつけてたシーン、
それをそのまま、妻が遅く帰ってきたときに経験して、まるで自分が今「昭和の旦那」になったかのような錯覚に陥るとか(似たようなことはこの5年くらいで何度かやり合ったのでめちゃ分かる。。)。
あとこれもワンオペ時代、休日に父娘と3人で動物園に出掛ける直前、
妻「なんで2人で出掛けてくれないの?」
夫「え、じゃあ2人で行くよ?」
妻「なんで?今日は娘の初めての動物園だよ、私も行くに決まってるじゃん!」
っつう矛盾ある会話、これ、なんかめっちゃ分かる。1人の時間が欲しいけど、家族の時間も独占されたくない。そういうアンビバレンスな感情の連続で育児って成り立ってると思うんやけど、それがこのユーモアたっぷりの描写に詰まってる。
批判受けやすそうな描写もたっぷりあるけど、ここまで己の哲学と子育てを掛け合わせた漫画を恐れなく出してくれた著者に感動した。読んだ中で記憶してる限り1番の育児エッセイ、オヌヌメ!