星野源はかつて陰キャラ男子とも呼ばれてた気がするが、今や新垣結衣と結婚するほどの男となった。という話をしながら陰キャラってなんだろうと考えて、たとえば友達が少ないとか1人の時間の方が好きとかいう定義であれば間違いなく俺は陰キャラだろうと思った。今日ふと1時間くらい暇ができたので、下の子を抱っこして、散歩がてら近所の喫茶店で本を読もうと歩いてたら、近所のパパ友と出会ってしまい一緒に散歩でもしましょうとなって川まで歩いた。ただ頭の中ではずっと「珈琲飲みながら本読みたかった、、」とモヤモヤしてしまい、あぁ俺は陰キャラだなぁと確信した1日でした。
植本一子さん『個人的な三ヶ月』読了。今までにも増して心のうちが吐露されたエッセイ。ほんまに物書きとして唯一無二!
コロナ第三波吹き荒れる2021年1-3月の三ヶ月間の日常を綴ったエッセイ。
収入が減ったこと、娘に突如抱きつかれて拒否してしまったこと、彼氏のミツと喧嘩して1人が怖くなって夜な夜な友人に電話したこと、映画や美術館鑑賞などたくさんの「不要不急」を重ね、これが私にとっては必要だと主張すること、、
どれも、多くの人に当てはまるエピソードにも関わらず、日常の解像度が異常なまでに高く、植本さんにしか書けない緻密さ。これまでのエッセイでも批判を恐れず家族像を問い続けてきてたけど、本作でもミツや娘とのこれからの関係にずっと悩み続けてる姿が見られた。こういった哲学を、今の植本さんのように売れっ子となった方が未だにこうやって世に出し続けている姿勢が本当かっこいい。『かなわない』や『降伏の記録』で育児や結婚について悩み続けてた著者が、同じく育児や結婚で悩んでいた読者の多くを救ってきたように、本作でも誰かしらその姿に救われた人がいるんやろうなと思わされた。少なくとも俺は植本さんが何回か作中で言ってた「娘とはあと10年も一緒にいられないかもしれない」という言葉にハッとさせられて、おもむろに上の娘を抱きしめた笑。
それくらい影響力あるエッセイ。なんか読んでてこっちも「、、なんか書かな!」と思わされる圧がある(やからとりあえず冒頭、どうでもいい日常を書いてみた)。本屋では売ってなさそうですが是非ネット等で取り寄せてお読みください。
あと韓国の絵本『女の子だから、男の子だからをなくす本』を購入。今年に入ってジェンダー関連の本を一通り読んできて、我々親はかなり理解が深まってきたが、今後大きくなる子どもたちに何かとっておきたいなと思って選定。
こういう系の本って、めちゃ偏見やが国内のものやとかなりイージーに書かれてるものが多い印象であんま刺さらんが、本作はよりジェンダー論が進んでる韓国発ということもあり、どストレートに描かれてるところが良い。娘が小学校にあがったくらいに是非読ませてみたいと思う。ただあまりにどストレートすぎて若干胸焼けする場面もあり、
そう考えるとやはりヨシタケシンスケさんの、あくまでエンタメの姿勢は崩さずにメッセージ性を孕ませる手腕はすごいんだなと改めて思わされた。まあ家に置いといて、子どもたちのタイミングで自ら手に取ってほしいなと思う1冊。