田房永子さんエッセイ本2冊
『エトセトラ vol.1』が近所の本屋でなかなか入荷されないんで先にエッセイ漫画を読了。まずは『10代のための読書地図』である方がレコメンドしてた『キレる私をやめたい』読んだが、相当にすごい漫画やった。なんかもう、「本気で悩んでる人を救うために入念に描いてます」という気概がギンギンに出てる。
夫に急にキレてしまう自分が治るまでを追ったエッセイ漫画。後半にゲシュタルト療法という、とにかく「今、ここ」にある感覚を研ぎ澄ましてく心理療法を学んだおかげでうまく歯車が回りだすまでが描かれており、一応ポジ寄りに終わるのでホッとするが、そこに至るまでのエピソードがまあ重く重く、特に夫に触られたことをDVだと警察に連絡するエピソードの箇所は読み進めるのキツかった。ただ、本気で救おうって気概は絵と文章の絶妙な抜け感と分かりやすさから来てて、重たい状況を重たく描かない作りになってるところに強いこだわりを感じる。多分ここをシリアス一本で描いた場合には、このメッセージを本気で伝えたい対象である、似たような経験をした当事者たちが読めなくなってしまうという現状に陥ってまう(専門書はそうなりがち)。やから漫画という形態はマストなんやと、ジャパニーズマンガやっぱエグいなと、文化全体に感動すらした。
『それでも親子でいけないの?』は、親に人生狂わされた方がわんさか登場するインタビュー的漫画で、こちらはちょっとまた重みの意味が異なるというか、それこそ親を殺す一歩手前までいったような方が出てくるんで、もちろんこちらも当事者が読むとくらいまくること間違いナシやろけど個人的にはちょっと俯瞰的に読めてしまった。