アサノタカオさん著『「知らない」からはじまる』読了。
「知らない」からはじまる 10代の娘に聞く韓国文学のこと | itoito
アサノさんと、韓国好きなアサノさんの娘「ま」が著者。2人のインタビューとエッセイから成る作品で、テーマは一貫して韓国について。BTSや韓国文学について語られてるが、とにかく2人のインタビューの中で、まだ中学生の著者の娘が『アンダー、サンダー、テンダー』『すべての、白いものたちの』『フィフティ・ピープル』など、昨今を彩る有名な韓国文学をどんどん読んでいき、それぞれに対し深い洞察を加えていく様に圧倒的にやられた。
「今の韓国はそう簡単に幸せになることが許されない暗い時代だっていう考え方があって、暗ければ暗いほど、小さな希望に光を感じられるっていうことなんじゃないの?」
なんて、どうして10代の頃に言えただろうか、、!
特にチョン・サランの作品については
「それぞれの異なる着眼点から見たい風景だけを見ているように描かれているところに、逆に人間らしさがある」
みたいに評していて、今年36歳の俺はこんな風にプロット以外の部分を心から楽しんで小説読めてるんやろか、、と不安になる程やった。ただ同時に「本離れ」とか言われるイヤな感じの今の世の中へのカウンターにも感じた、というのは俺の娘だってあと10年も経たんうちに中学生になるけれど、10代前半でもうこんなふうに文学を好きになる可能性もあるのか、2人で好きな作品を語り合える可能性もあるのか、とワクワクする気持ちも味わえた。
「和」を乱したいわけじゃないんだよ。自分の個性は大事にしたいけど、度を越した自己主張をしたいとは思わない。世の中の「普通」に守ってほしい。