濵田真里さん『女性議員を増やしたいZINE』読了。
タイトル通り、女性議員を増やしたい著者が、女性議員を増やすために書いたZINE。数年ほど前からフェミニズムの本をコンスタントに読むようになってから、自ずと日本の社会構造の問題にぶつかり、そこで避けては通れない話題として女性の議員問題は出てきてた。んでいくつかの本に「女性の議員割合を増やすだけで良い」、つまり選挙時にひとまず女性候補者に票を入れておけと書かれていた。ふわっと調べると、諸外国では実際に育児や性被害に関する法の制定が女性議員率と比例して増えたという事例があるそうやったので、自分自身も選挙時は女性から選ぶようにしていた。
本書は議員へのインタビューや他国の事例等を交えて、なぜ女性議員を増やす必要があるか、を論理だてて説明してくれていて、定性的にしか意味を理解していなかった俺には非常に分かりやすかった。
女性が増えることによって「女性」というステレオタイプに縛られず、「個人」としての意見を言いやすくなります。そのためにも、まずは女性議員を30%ほどにする「クリティカル・マス」を目指すことが重要です。30%を超えてくると、属性のイメージにとらわれずに個人の能力を発揮できるようになると言われています。
「クオータ制」という、候補者や議席の一定数を女性に割り当てる制度があるそう。「女性」というだけで議員になれる確率を上げるというこの制度には、おじさんが言いそうな反感の言葉がパッと考えるだけでいくつも思いつく(「能力のある男性が議員になれず、能力の低い女性が議員になれるとは何事か!」的な)。ただそれはやっぱり、男性から女性への痴漢という犯罪がある上で「痴漢冤罪だって大変じゃないか」と論理をすり替える方法と同様に、「能力の高い女性が議員になれなかった過去」があるからの今だと感じる。30%理論の「クリティカル・マス」というワードは、決して議員の世界だけでなく民間企業でも大いに参考になる考え方なので是非覚えておこうと思う。