積ん読ならぬ積んレビューしがちやけど今日で2月も最後、、
実用書と言うべきかエッセイと言うべきか、きしもとたかひろさん『怒りたくて怒ってるわけちゃうのになぁ』、及び荻上チキさん『みらいめがね2』読了。
『怒りたくて〜』はTwitterで話題の、学童保育で働くきしもとさんが子育て世代の親メインに向け書いた漫画エッセイ的作品。「叱る」とは・「褒める」とは、等等、感受性豊かな3歳〜小学生時期の子を持つ親なら誰しもぶつかる壁に対し、経験豊かな著者なりのハウツーを優しくサジェストしてくれる本で、俺も5歳の娘に対して、読んでは即実践、てことを繰り返しやってました。サジェストの書きっぷりですごく好感持てるのは、あくまで著者の主張は一例だし、あくまで「俺は」こう思うのだという、主語がI(アイ)であることを繰り返し言ってる点。子育てに正解は無いという前提で話が進んでる時点で、こっちとしては「こんな方でも自信がないんだ!」という自信を貰えて、半分以上悩みは解決したようなもの。
とは言え刺さる言葉のオンパレードでした。家に置いて今後数年間は繰り返し見るような類の本。現時点で覚えておきたい文章を引用しておきます。
子供は意外と大人にダメだと言われたことは疑わずに受け入れているから、どうしてもしたい時は強行突破を狙ってくることがある
相談せずに「どうせ」と諦めさせているのは僕たち大人だったりする
大人のその場しのぎの約束を 子どもは心から信じてワクワクしている
それなのに大人はごまかしてしまう
『みらいめがね〜』はチキさんの続編。個人的には前作の方が好きだった。今作はチキさんのバックボーンというよりは時事的なトピック多め。けどそんな中で要所要所に魅力的な哲学が散りばめられてる。
精神論は、手段が貧困な状態において、最後に頼られるおまじないだ。もっと具体的な手段があれば、精神論なぞ出番ない。具体的な戦術や訓練方法を指導して、せいぜい最後に残るのが、頑張れという一言のはず。
「リフレーミング」という言葉がとても残った。定義は「物事を見る枠組み(フレーム)を変えて、違う視点で捉え、ポジティブに解釈できる状態になること」らしく、作中では、料理が下手な女性を笑ったり、容姿ディスがはびこるような文化の未だ根強い、テレビを中心としたメディアを摂取してきた結果己に植え付けられた誤った観念を、一つ一つ剥いで見方を正していこうという文脈で使われてる。俺はチキさんより少し下の世代やけどテレビで育ってきた世代という意味では一緒なんで、こうやって良書を読んだりしながら継続してリフレーミングしていく必要があるなと実感。