異常【アノマリー】 / エルヴェル・テリエ
何の雑誌でPUSHされてたがもはや忘れたが、フランスで110万部売り上げたらしい小説。年末年始案件として購入して一気読み、ベストオブ第1章!!!
第1章、実に14人×数頁の100頁強の前振りがひたすら続く。ここがとにかく、ツラい笑 事前に「ヤヴァい」という触れ込みは聞いてたので、いつか来るカタルシスのために頑張って乗り越えられたが、もし何の前知識もなく読み始めてたら途中で断念してたかもしれない。
、、が、、が、、第1章の終わり、「・・おや?」と違和感を感じてからにわかに伏線を回収し「ヤヴァい!」ところまで急ハンドル切って持ってくパワープレイにはめっちゃくちゃアガった。(ただ帯にもある通り、一切のネタバレなく読んだ方が絶対に面白いので詳しくは書けません)
また、第1章の終わりの圧倒的SF感から、そのまま物語がぶっ飛びに行くのではなく、歯応えのあるヒューマンドラマに落ち着いていく構成も個性的でオモロかった。てっきり冒頭の14人は1章終わりの展開のためだけに存在する壮大な捨て駒かと思いきや、以降も終盤まで丁寧に描かれてる。あとがきで知ったが、著者は数学者という顔以外にも、言語学者や劇作家、ジャーナリストなどさまざまな肩書きを持つらしい。後半のドラマを読むとそれも納得。
レビューというレビューは出来ないのでとにかく読んでもらうしかないが、これは本読みにとっても間違いなく初めての読書体験なハズ。オススメ!